働き方のシフト、モノだけでなくヒトを見て仕事をする

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働き方のシフト、モノだけでなくヒトを見て仕事をする

2019年11月22日

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明日のリユースを創る!
実践マーケティング講座

~第14回 ヒューマンシフト2 働き方~

今回は働き方のシフトについて解説したいと思います。まず、商品の販売価格別の販売と買取の現状をみると、販売では1万円以上の商品はネット販売中心に、3000円〜1万円の商品は、ネットとリアルの使い分け、3000円以下の商品は、リアル中心の状況になっています。一方で、買取では3000円以下の商品の買取が、断捨離、家の片付け、必要なモノだけに囲まれたライフスタイルなどの時流もあり、増加。しかし、品出しが追い付いていない状況にあると思います。そのため3000円以下の商品の長期滞留が問題となっています。

また買取の現場では、1万円以上の高額品は、価格競争、プレイヤーの増加、無店舗型ネット買取業者の増加などから、減少しています。要するに高単価商品の買取が減り、低単価の買取が増え、品出しが追い付かずに、生産性を高められていない状況なのではないかと思います。常々、買取個数と販売個数が労働時間と比例するため、個数が増え現場が作業で忙しい割に、売上が伴わない状況が、全国的に見受けられます。

働き方シフト

そこでこの低単価商品の取り扱いを再度、見直す必要があります。具体的には、販売商品のABC分析を行い、どの商品が売上に貢献し、どの商品が売上に貢献していないか?を見極めることです。品出しをしている割には、売上につながっていない商品は、品出しをやめるか?もしくは、買取自体を中止するという選択をしてください。買取が増え、お客様が持ってきた商品を全て品出ししなければいけないという固定観念が、作業が増えたのにも関わらず売上につながっていない根本原因だと思います。要するに、品出し商品の優先順位を決める。そして、必要以上の品出しをしない。(特にリアル店舗の場合、売上目標設定に対して品出し目標設定以上に品出しをしない。)

そして、空いた時間に本来やるべき仕事をしてほしいのです。本来やるべき仕事とは、お客様対応です。

・お客様はどんな困り事を解決しにお店に来られたのか?
・お客様は何を求めてご来店されたのか?

お客様との会話からちゃんと把握し、お店の商品やサービスでそれを叶えられるのか?を実践する時間が本来のやるべき仕事です。本来、「仕事=作業+目的」と言われています。作業に追われず、仕事の目的を意識し対応していくことで、お客様に喜ばれる仕事ができます。リサイクルショップは、モノを評価したり、モノを鑑定したりするコトが重要視されている仕事ですが、モノだけではなく、ヒトをしっかりみて、お客様の中にあるお困り事、興味、関心事、にもっと目を向けないといけないと思います。働き方のシフトとは、モノだけでなくヒトを見て仕事をするのが第一歩になります。

福本晃 氏

福本 晃
元船井総研上席コンサルタント。2000年に、リユース業界向けコンサルティング部門を立ち上げ、全国各地に600店舗のクライアントを持つ部門に育てる。リユース業界のエキスパートとして、株式上場企業など数多くの急成長企業を作り出してきた。2017年3月にコンサルティング会社「A−DOS」を設立する。現在、「企業の"あり方"と"やり方"をつなげて、"理念"を"利益"に変える」をモットーにコンサルティングを行っている。リユース業界向けには、TRCコンサルティングを立ち上げ、リユース企業への幅広い支援を行っている。著書に「はじめよう!リサイクルショップ中古品マーケティングの真髄」。

第475号(2019/11/10発行)15面

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