嵯峨野、不用品が募金に 寄付をリユースの糸口に

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嵯峨野、不用品が募金に 寄付をリユースの糸口に

2019年12月18日

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「買取」と「寄付」を組み合わせた募金システム「きしゃぽん」を運営するのは、メディア等の買取販売を行う嵯峨野(埼玉県入間市)だ。寄付者が不用品を同社に郵送すると、「買取」額が希望する支援先に「寄付」される。寄付者・寄付先両者から年中問い合わせがあり、寄付リピーターも多い同事業の人気に迫る。

はじまりは3・11

「東日本大震災の際にボランティアへ伺ったところ、現地には全国各地から古本が寄付されていましたが、中にはニーズに合わず、捨てざるを得ない古本も多くありました。そこで、品物をお金として支援先に届ける仕組みを思いつきました」と話すのは、大村若菜取締役だ。大村肇社長が古本をAmazonで販売したことが起源の同社は、郵送による買取販売に長けている。このスキームを利用した募金方法が、2011年に開始したきしゃぽんだ。

15A-2.JPG▲大村若菜取締役(左)と大村肇社長

まず、利用者は同社に着払いで本やDVD、CD、ゲーム、スマホ、金券、カメラ、ブランド品、洋酒、ホビー用品等の不用品を同社に郵送する。すると、同社は品物を査定し、換金額を算出。通常の買取では、買取額は利用者が受け取るが、きしゃぽんでは、買取額に100円が加算された金額が寄付先に振り込まれる。

寄付先は、きしゃぽんに賛同した学校や行政、企業やNPO法人等134団体。昨年の寄付件数は9401件に上った。

寄付から買取を啓蒙

きしゃぽんによる同社のメリットは主に3つだ。1つ目は、寄付先である協働パートナーと協業できる点。ネームバリューのある団体名で寄付を募れるため、利用者に安心感を与えられる。例えば寄付先が埼玉県NPO基金の場合、県民になじみのキャラクター「コバトン」がポスターに登場した。

15A-1.jpgのサムネイル画像▲埼玉県マスコット「コバトン」がチラシに登場

2つ目は、企業価値を高められること。本来の目的である慈善事業で実績を積めることで、嵯峨野の認知度向上が狙える。

3つ目は、寄付や買取の初心者にもアプローチできることだ。環境省によると、過去1年間で中古品を売却したことが無い人は、全体の約7割。これまで中古品に関心が無かった人たちも気軽に参加できることで、リユースの啓蒙にもなるという。

「今後は企業との連携も促進し、更に寄付を募っていきたいと思います。きしゃぽんの『きしゃ』は喜捨、『ぽん』は気軽、簡単という意味。負担なく参加し、リユースを知ってもらうことで、利用者から『買取っていい仕組みだね』と思ってもらえれば」(大村肇社長)

 

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第477号(2019/12/10発行)8面

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