2兆円までスムーズに成長、皆で中古市場という畑耕そう―ハードオフコーポレーション 山本善政社長

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「未来予測インタビュー2015」

2兆円までスムーズに成長、皆で中古市場という畑耕そう―ハードオフコーポレーション 山本善政社長

2015年01月12日

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中古市場の未来はどんな姿になっているのだろうか。リユースマーケットのフロントランナーとしてひた走る企業の中から5社を選び、それぞれの社長に2015年、2020年、2030年の見通しを大胆に予測してもらった。人口減、ネット社会、C2C取引の増加、グローバル化などのキーワードが、その口から語られた。変わりゆく日本の二次流通。その波の上をどうかじ取りしていくか。ぜひ参考にしてみてほしい。

一度も下がることなく 2兆円まで中古市場成長

2015年は景気が上向き、連動して中古市場も成長すると予測するのはハードオフコーポレーション(新潟県新発田市)の山本善政社長だ。今日より明日、明日より明後日とモノが売れ続ける限り中古市場は伸びると断言する。2兆円までは一度も市場が下がることはないという言葉の真意を詳しく聞いた。

――2015年の総合リユース市場はどうなるでしょうか?

マイナスはありえない。中古市場は年率5%で伸び続けており、今後も5〜10%成長がしばらく続くだろう。洋服や家電など、当社のリユース領域の新品市場は合計約30兆円ある。この内7%、2兆円までは一度も下がることなくスムーズ伸びると見ている。

選挙も終わり政権も安定する。消費増税騒ぎも終了した。ここからアベノミクスで経済が好循環になるというのが私の持論だ。動脈(新品)が売れれば売れるほど動脈(中古)に商品がまわってくるようになる。

ただ、そもそも中古は余所の流通と違って、どっちに転んでもいいという性質がある。景気が良くなれば新品が売れて中古への循環が始まる。景気が悪くなればなったで、生活防衛意識が高まってリユースが支持される。

アパレル100兆円のストック有り

――総合リユースの中でも、古着市場は特に注目されていますね。参入する事業者も目立ちますが。

古着事業を始める企業も多いが、それぞれに特徴がある。メンズに力を入れる店とか、アッパー層を狙った店とか住み分けができている。アパレルは母数となる新品のマーケットサイズが10兆円弱もある。理論的に考えると、過去10年で100兆円もの衣類がタンスにストックされているということになる。取り合いになる状態ではない。

――御社はどこを狙った店をつくっていますか?

うちはミドルを狙っており、本物のリユースしか扱わない店という位置づけ。新古品や業者仕入は使わない方針だ。売れ残った負け組商品は、どこに行っても負け組。一方お客さんが一度買った中古はマーチャンダイジング済みの商品と言える。小売店は優秀なマーチャンダイザーが競って商品開発を行なうが、中古はすでにお客さんに買われた成功実績がある。

自分の1万円を使って買い物する時、真剣に考えるでしょう?お客さんのフィルタを通した賞品が勝ち組みで最高。

ハードオフコーポレーション
デジタル家電を中心としたリユース業態「ハードオフ」や、総合リユース「オフハウス」を展開。古着の「モードオフ」お酒のリサイクル「リカーオフ」などの業態も開発しており、最近ではシニアによるシニアのための高級中古店「オーディオサロン」が話題を呼んだ。 2014 年11月現在の店舗数は789 店。チェーン全体売上高は約460億円。

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359号(2015/01/10発行)2面

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