「一次流通企業のリユース参入」大手小売りが取り組む時代に

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「一次流通企業のリユース参入」大手小売りが取り組む時代に

2022年01月06日

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一次流通企業の参入

一次流通企業のリユース参入が増えている。百貨店やアパレル、家電業界を始め、サステナビリティの推進に重きを置く企業が取り組み始めている。ただ、ノウハウ等がないため参入は容易でなく、既存のリユース事業者がサポートすることで新たな商機になりそうだ。

裏側をリユース企業が支援

三越伊勢丹が参入

三越伊勢丹が買取事業に参入三越伊勢丹が買取事業に参入

百貨店大手の三越伊勢丹(東京都新宿区)は昨年10月から本格的に買取事業を開始した。伊勢丹の新宿店、三越の日本橋店にそれぞれ直営の買取店「アイム グリーン」を展開。同社従業員が接客し、バリュエンスジャパン(東京都港区)が支援する。買取事業は、利用客に対する購入後のアフターサービスと位置づける。買取商材はブランドや骨董を中心に、買取価格の付かない古着等の引取も実施する。高価買取を積極的に謳わない姿勢や、三越伊勢丹スタッフの高い接客力が受け、お客からは一般的な買取店よりも安心して利用できるという声が寄せられる。20年秋から実験的に運営を行った日本橋三越店では買取額が計画比130%、年約2000件に到達。また伊勢丹新宿店では、宅配買取に人気が集中し、一時サービスを停止した。他の百貨店などの動きにも今後注目が集まりそうだ。

高級バッグやランドセルの製造販売を行う土屋鞄製造所(東京都足立区)も昨年10月にリユースへの参入を発表した。自社製品を無料回収し、職人によるリペアを施した上で定価の6割程度で再販。年商5億を目標に掲げる。回収を依頼した利用客には2割引のクーポン券を配布する。昨年秋に回収した鞄は、東京・中目黒で実施したポップアップイベントで販売。新品の50~75%程度で150点を陳列した。新たな収益基盤としたいほか、職人の育成や利用客の囲い込みなど、付加価値の創造を目指す。22年3月をめどに修理体制を強化し、引取・再販を通年サービスに切り替える予定だ。

大手ECサイト「ベルメゾン」を運営する千趣会(大阪府大阪市)は、オークネット(東京都港区)と組み、衣料品などの買取を開始した。オークネットはこの仕組みを横展開し、二次流通へ進出するための機能提供や顧客関係構築を支援する新事業「セループ」を昨年8月より開始している。

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第527号(2022/1/10発行)8面

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