古書太平書林、実店舗がある利点を最大限活かし 高齢者から幅広い本を買い取る

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「バイヤー道」

古書太平書林、実店舗がある利点を最大限活かし 高齢者から幅広い本を買い取る

2025年06月13日

バイヤー道

柏駅西口徒歩3分の古書太平書林(千葉県柏市)はオールジャンルの本を扱う県内有数の個人経営の古書店だ。店主の坂本智紀さんのもとには連日のように出張買取の依頼がある。

出張買取は毎日1〜2件
顧客の多くは70〜90代

古書太平書林 坂本智紀さん

坂本智紀さん略歴

広島県呉市出身。30年前、大学時代に客として来店し、漫画を探していたら、店主から漫画について教えてくれと頼まれ、アルバイトすることに。卒業後は先代と遠方への買取りを行うなど、二人三脚で運営にあたった。約10年前に店主が身体を壊したのを機に事業を継承した。

今や千葉県全体でも店舗を持っている個人経営の古書店は数えるほどだ。約30年前、大学生だった坂本さんが古書太平洋書林でアルバイトを始めた当時は、柏市内に6〜7軒の古書店があったが、いまはほぼ同店のみ。来店者の多くは高齢者だ。それだからこそ、坂本さんは忙しい。常連客やホームページを見た高齢者、あるいはその遺族から「店舗があるから安心」と、出張買取の依頼がくるからだ。出張買取は午前中に行って、12時から店を開けている。月曜日は定休日だが、買い取りや本の整理などで働いており、休みはない。

「インターネット販売はやりません。リアル書店を経営の柱に据えており、お店に来てくださるお客様が一番大事と考えているからです」と坂本さんは語る。

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第609号(2025/06/10発行)27面

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