スリランカ民主社会主義共和国は、インドの南東に位置するセイロン島を国土とする国家です。多数の鉱床が眠っており宝石採掘が盛んです。現代でも、何の変哲もない水田や小川、井戸から原石が掘り出せます。
右肩上がりの宝石ビジネス
現地職人の育成に期待
宝石の街で一攫千金
!? 鉱山に潜入
井戸の底から掘り出した鉱石は、近くの水たまりで洗い出して選別する
向かったのはスリランカ国内でも規模の大きい鉱山がある「ラトゥナプラ」。「縦穴掘り方式」という、鉱脈に通じていると予測される水田や河原等に井戸のような縦穴を掘り進めていくことによって、宝石の原石を探す方法の鉱山を見学しました。何十メートルと掘られている深い穴には水がたっぷり溜まっており、じめじめとしたいや~な空気。実際、穴の中へ降りてみると、まるで別世界の空間へやってきたかのような、なんとも不思議な感覚でした。
採掘量に関してはおおむね増加しているそうで、まだまだこのビジネスは勢いを保ちそうです。掘り出した原石は、そのままラトゥナプラの街へと持っていきます。至るところに宝石の交換所があり、宝石商がお客を待ちかまえています。原石を掘り出した人は日本の郊外にあるような素朴な公園の周辺で、非常に高価な原石についての交渉を行っているわけです。歩き回っていると、見知らぬ人達が研磨された宝石をやたらに目の前に見せびらかしてきます。よくよく聞いてみると「price」と言っていました。どうやら、宝石を買い付けにきたと思われていたようですね...。
第614号(2025/08/25発行)25面