《全国ダーツの旅☆東京都》百年 全蔵書手放し逝った、人気イラストレーター

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《全国ダーツの旅☆東京都》百年 全蔵書手放し逝った、人気イラストレーター

2018年07月24日

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リサイクル通信 全国ダーツの旅
~東京都 編~

ダーツの矢がささったエリアのリサイクルショップに取材するコーナー

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▲吉祥寺らしいおしゃれな雰囲気の漂う店内。
編集者やクリエイターの常連客も多い

全蔵書手放し逝った
人気イラストレーター

蔵書家からの買い取りには、そのお客との切ない別れが伴うことがある。

8年前、古書と厳選した新刊を扱う百年(武蔵野市吉祥寺本町)の樽本樹廣代表は、『むしゃむしゃマンモス』『ボクがこんなにふとった理由』などの絵本がある人気イラストレーター・阿部真理子氏から出張買取の依頼を受けた。
代々木上原の事務所を訪ねると、そこには膨大な量の本があった。

そのなかには和田誠などの原画も含まれていた。

阿部氏は51歳だったが、ガンと宣告されたので、コレクションを全て売却したいと語った。

「痛烈に人の悪口を言う毒舌家の反面、お茶をだしてくれたりして、すごく気遣いのできる面白い人でした」と樽本代表。

暫くして、入院中の阿部氏から再び買取依頼があり、樽本代表は病室を訪ねた。

阿部氏は抗がん剤の副作用に苦しんでいたが、ソール・スタインバーグのポスターを指差し、「大事にしていた物なので、捨てられたくなくて」と語った。

それから程なくして、付き合いのあった安西水丸氏(14年逝去)から阿部氏の訃報がもたらされた。

「僕が病室を訪ねた翌日にホスピスに移り、5日後に亡くなったそうです。お客様の死に立会い、その想いを受け入れるのも、我々の仕事の一つかもしれません」(樽本代表)

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▲樽本樹廣代表

第443号(2018/07/10発行)17面

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