《明日のリユースを創る!》TRCリユースコンサルティング、最後に残るのは "お客様との繋がり"

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《明日のリユースを創る!》TRCリユースコンサルティング、最後に残るのは "お客様との繋がり"

2018年11月14日

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 明日のリユースを創る!
  実践マーケティング講座

~第2回 リユース業界大転換期3つの時流 その2~

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最後に残るのは "お客様との繋がり"

皆様初めまして、TRCリユースコンサルティングでコンサルタントをしております、佐藤秀平と申します。前回リユース業界で、地殻変動が起きているというお話をしました。①粗利率ダウン・回転率アップの時代、②一億総"商人"時代、③消費者が"自分で査定する"時代、これら3つの時流のうち、今回は②③について解説したいと思います。


リユース業界を取り巻く外部環境は、ここ数年大きく変化してきました。②③の2つの時流によって、リユースショップの「存在意義」が改めて問われています。フリマアプリの登場で、消費者は"リセールバリュー"をより意識する消費スタイルに変化してきました。メルカリのアプリがあれば、消費者は、簡単に商品の相場(売却したときの価値)を知ることができます。10,000円で買って、3ヶ月使った5,000円で売却し、3ヶ月の消費(レンタル)を5,000円で購入しているという消費感覚が生まれてきています。


消費者自身がリセールバリュー(商品の相場)をよく知っているので、ただ商品を安く買いたたいて、そのまま販売するだけのリユースショップでは間違いなく淘汰されます。この流れは都心だろうと地方だろうと関係なく、すぐそこまで迫っています。商品の相場を見極め、査定する技術についてもう少し掘り下げてみましょう。「良い魚を見極める技術も、上手い寿司を握る技術も全て価値がない」あるミシュランで星付きの寿司店の大将が言った言葉です。


リサイクル通信でも取り上げられたAI真贋査定のEntrupyやアプレのTALグレーディングレポートなどの登場でリユースショップがこれまで培ってきた「物の価値を見極める技術」という専売特許は失われつつあります。実際、私が開発している次世代のPOSシステムも、膨大な買取データベースによって商品の価値を自動的に判定し 、買取金額を自動算出することが出来ます。


これらのサービスが普及すれば買取金額の差は小さくなり、究極誰でも査定が出来るようになるでしょう。リユースショップが、売りたい人と買いたい人の間でビジネスをするためには 、買取価格だけではない"別の価値"を提供する必要があります。実は、先ほどの寿司店の大将の言葉には続きがあります。


「技術は機械やAIで真似されるが、最後に残るのは"お客様との繋がり"である」小売業・サービス業の商売の本質は、お客様との繋がり、つまり"信頼の集積"です。基本的な会員管理をシステム化し、お客様の情報を把握・共有することは大前提ですが、この時流の中で信頼を得るためには 「プロとしての情報提供」が必要だと考えます。


あるお店では、リピート率に最も影響したのは「バイヤーの査定商品以外のアドバイス」だったそうです。上の図はアドバイスのほんの一例ですが、あなたのお店がお客様に提供出来る"価値"はなんでしょう?一度、原点に立ち返り考える必要があります

プロフィール写真.jpg▲佐藤 秀平

佐藤 秀平
元船井総合研究所経営コンサルタント。コンサルタントと経営者という2つの立場で、小売・EC業界に8年以上携わり、リユース事業・輸出輸入事業・OEM販売事業などを行い、ゼロから年商4億円の事業に成長させた経験を持つ。マーケティング全般とEC販売戦略を得意とし、自身もリユース業向けのシステム開発を手がける、株式会社NOVASTOの代表取締役を務め、業界の最先端のノウハウを追い求めている。現在コンサルティングのクライアントは、総合リユースショップ・買取専門店・中古工具専門店・ネット型リユースなど多岐にわたる。

第451号(2018/11/10発行)5面

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