《スペシャルINTER VIEW》サードウェーブ 榎本一郎副社長、eスポーツ事業でミレニアル世代へ訴求

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《スペシャルINTER VIEW》サードウェーブ 榎本一郎副社長、eスポーツ事業でミレニアル世代へ訴求

2018年11月19日

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サードウェーブ

PCチェーン「ドスパラ」を展開


9-1.jpg▲サードウェーブ 榎本一郎副社長

副社長プロフィール
榎本一郎(えのもと いちろう)。IBM入社後、1992年よりPC事業に従事、1998年、同社首都圏営業部長に就任。2005年にLenovoへのPC事業売却と共に移籍し、同社パートナー副事業部長に就任。2008年DELLコンシュマー営業統括本部長、2010年日本acer上席執行役員、2013年AOS上席執行役員、2015年プラスワン・マーケティング常務取締役を歴任。2018年にサードウェーブ常務取締役に就任し 、同年8月より同社取締役副社長(現任)を務めている

PCチェーン「ドスパラ」を展開するサーブ(東京都千代田区)。同社は今年、3年20億円の投資計画を発表し、eスポーツ事業の成長を図る。専用施設の開設や高校生大会などを仕掛け、今後の日本の消費人口を支えるミレニアル世代へ訴求していく。同事業を取りまとめている榎本一郎副社長に、eスポーツと中古市場との連携について聞いた。

eスポーツ初心者にリノベーションPC

――まず、eスポーツとは何ですか。

榎本 eはエレクトロニック。スポーツには競技という意味と、娯楽や趣味という意味があります。つまり競争したり、楽しんだり、観戦したりができる。それらをすべてくくり、エレクトロニックの競技に携わることをeスポーツと呼びます。発祥はアメリカ。観るだけの人も含め世界に4億5000万人のeスポーツ人口があると言われています。日本でも来年、茨城の国体で参考種目に入っています。


――いわゆる"ゲーム"との違いは。

榎本 やはり"競う"というところ。1人で黙々とテレビゲームをする感覚とは違います。eスポーツには競技カテゴリーが決まっていて、シューティングや格闘、カードゲームやボードゲームなどがある。1対1もありますが、世界的には5対5、4対4、3対3のようにチーム対抗が主流。そこにチームワークと戦略性が求められるのがeスポーツの醍醐味です。新しいコミュニケーション作りの文化でもあります。


――御社がeスポーツを強化する理由は。

榎本 ミレニアル世代にリーチできるからです。2000年以降に成人を迎えたこの世代は、リアルスポーツから離れ、あまり外出しない、頻繁に外食もしない、車だって持ちたくないという層さらに少子化でどんどんパイが小さくなっていく。とにかく、私たちから捕まえにいかないと来てくれない層なんですね。でも、今注目を浴びだしているeスポーツに対して、すごく興味を持っている世代だと思っています。若年層なら特別所得が高いわけでもない。するとファッションだろ うが何だろうが、上手くリユースを活用している。つまり合理的に物事を考えられる人たち。そういう人たちには、eスポーツをプレイするためのゲーミングPCに、まずは中古の、リノベーションPCを最初に使ってもらって良いわけです。eスポーツ市場が大きくなるにつれ、一緒に成長する中古市場の1つがリノベーションPCだと思っています。

9-2.jpg▲eスポーツを楽しむ観客

製造、小売、ゲームの知見が三揃い

――御社では、中古のゲーミングPC、つまりリノベーションPCをどのように生産を。

榎本 個人からの下取りや、法人から3年でリースアップしたPCを回収し、"リフォーム"しています。ゲーミングPCの中古販売単価は5万円程度。全国のドスパラで販売しています。当社はBTOの文化をもともと持っているので、「これは求められるだろう」というものを自分たちで考え提案してきた。その強みの中で生まれたのがリノベーションPCなんです。


――御社以外に、リノベPCを扱っている競合というのは。

榎本 大きくやっている所はあまり聞きません。例えば仕入れてきた中古PCをクリーンアップする企業は沢山いますが、中身を変えるとなると製造業になるので出来る所も限られてくる。大手メーカーも自社ブランドに傷を付けたくないので中古をやることはない。当社はメーカーであり、販売店を持って新品・中古の両方を扱っている。ゲームに対しての知見も深い。ここまで条件を満たした企業はそうそうないですよ。


――eスポーツに3年で20億円の投資計画。1年目の今年は、ここまでどんな動きを。

榎本 今年4月に池袋にLFS(ルフス)池袋esports Arenaというeスポーツ専用施設を開設しました。一般席は80席。大会仕様だと選手席が20席あるので、合計最大100席。各々が好きなゲームをプレイしたり、「今日は5対5」というように皆でIDを決めて、海外の人と対戦したりというのも可能です。今年は毎日新聞社と組んで、eスポーツの高校生大会、全国高校eスポーツ選手権を開催することも発表しています。12月にオンライン予選を行い、3月に幕張メッセで決勝戦を行います。また、選手権に参加することを前提とした先着100校を対象に、ガレリアゲームマスターというゲーミングPCを5台ずつ、3年間無償レンタルしています。既に40校以上から申込みが来ています。話を聞いてみると、当然eスポーツ部なんて最初からありませんから、生徒が先生に直談判して部を作ってもらったなんていうケースもあるようです。狙った通り、eスポーツが若い人の原動力になっている。

9-3.jpg▲LFS池袋esports ArenaにはゲーミングPCが並ぶ

社長からの熱いオファー受けジョイン

――改めて、榎本さんがこの事業を担当されている背景は。

榎本 私が当社に入ったのは今年2月。私はIBM、レノボ、Dell、エイサーと、ずっとメーカー畑におりました。6年くらい前から当社社長の尾崎からオファーを受けていました。それが昨年の夏に本気で誘われ、「
実は榎本さん、うちの会社こんなこと考えてます!」というeスポーツに対する熱い想いを伝えられました。
それから3ヵ月間、ゲーミングPCの世界が世の中でも大きく変わり、尾崎が話した通りのことが現実に起きていると感じたんです。周りでやたらeスポーツの言葉が目に付くようになったり、業界団体の話が入ってきたり。極めつけは、5年ぶりに行った歯医者さんでの出来事。麻酔効くのに30分かかるから待っていてくださいと、看護師が100冊くらいある本の中から3冊を選んで持ってきたんです。1冊目を手に取ったら、なんとeスポーツ特集。中を開けると尾崎のコメントが載っていました。どこかに監視カメラがあ るんじゃないか?と思いましたね。


――今後の展開について教えてください。

榎本 多くの派生事業が生まれてくると思います。例えば、eスポーツに少しだけ投資してみたいというネットカフェがあれば、一部をゲーミングPCに変えてあげるとか。ハードルを下げた使い方の提示には、リノベーションとか中古の活用は大いにある。今サードウェーブ全体で売上高が約350億円。これを、eスポーツ関連事業で盛り上げ、3年で500億円というのを目標としています。

会社概要
社名 サードウェーブ
所在地 東京都千代田区外神田2-14-10 第2電波ビル 6F
設立 1984年3月
資本金 4000万円
売上高 351億円(2017年7月期、サードウェーブグループ全体)
従業員数 565名(2017年7月末)
事業内容 ・グループ管理業務
     ・小売事業「ドスパラ」「上海問屋」運営
    ・ワークステーション、サーバー関連商品・サービスの販売
     ・コンピューター機器等の企画・製造ならびに卸販売
     ・電子機器等の受託生産事業
代表取締役社長 尾崎 健介

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第451号(2018/11/10発行)9面

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