ユウヤ、運営ノウハウを求め問合せが増加

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ユウヤ、運営ノウハウを求め問合せが増加

2019年04月06日

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カードピッカー.JPG▲トレカ販売用端末「カードピッカー」

運営ノウハウを求め問合せが増加
回復の兆しを見せるトレカ市場

トレカ専門店「遊Vic 中野店」を運営するユウヤ(東京都中野区)に、業務支援を要請する声が増えている。
「新規でカードショップを始めたい人や、既存店を拡大したい人からの問い合わせが目立つようになったのは昨年10月ごろからだ」(茅原慎二代表)。同社は22万もの商品情報を抱えるほか、カードを陳列するショーケースの製造も手がけている。

現在は、初期在庫の提供や陳列棚の注文が多い。同社の特徴は、商品の売上予測や、店舗運営効率化のノウハウを備えている点。店舗内にはiPadを利用したクロコツールズ(東京都杉並区)製のトレカ取り扱いサポートアプリ「カードピッカー」を設置。ユウヤ社の抱えるすべての商品情報を詰め込んでいる。このデータは他社にも無償で提供。アプリを通じお客が商品の流通価格に即アクセスできる機能を備えるなど、市場の透明性確保に貢献している「カードピッカー」はトレカの専門知識のないスタッフでも使用可能で、
商品価格の変更もスムーズに行うことが可能。

お客はスマートフォンで売りたいカードの買取価格を事前に把握し、店舗スタッフはそのデータを見ながら店頭で買取を行うことができる。買いたい場合にも店舗内に限らず、事前にチラシを読み取り、数量やレア度を選択しておくとすぐに店頭で買うことができるなど、お客・スタッフの双方にメリットがある。ショーケースを極力減らせるため、店舗スペースの有効活用にも繋がっている。実際に「遊Vic 中野店」では売場面積を減らし、客同士が対戦するスペースを拡大したことが好評を得ている。5坪ほどの小スペースでもカードショップの運営が可能だそうだ。

茅原氏によると、トレーティングカードゲーム市場は現在、息を吹き返している状況だ。相場が落ち込んだのは2017年2月のこと。コナミが展開する人気カードゲーム「遊戯王」のルールが改正されたためだ。それまで、希少価値の高いカードは定価の数十倍の価格で取引されることも多かったが、改正により多くのトレカ買取業者が急きょ遊戯王カードの買取を中止した。ルール変更の背景にあったのは、コナミが同ゲームの新規プレイヤーを増やそうとしたこと。「強いプレイヤーがずっと強い」ことで新規参入の壁が高く、これに風穴を開けようという年に向けて試みが混乱を巻き起こす結果となった。

結局それ以前の1割程度の価格までしか相場は戻らないまま2017年は幕を閉じた。変化が見られたのは翌年2月から。コナミが遊戯王の登場20周年に向けて、数々のキャンペーンを行ったことが理由とされている。
これにより現在では、2017年以前の8~9割の価格まで戻ってきているようだ。「2年前には、全国のカードショップで売上が4割減ったとの話もあった。多くのカードゲームがある中で遊戯王のインパクトはそ
れだけ強かった。ほぼ相場の戻った今後の業界動向を注視していきたい」(同氏)。

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▲茅原 慎二代表

第460号(2019/03/25発行)15面

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