上場リユース企業決算まとまる 収益改善が急務、求められる従来モデルからの脱却

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上場リユース企業決算まとまる 収益改善が急務、求められる従来モデルからの脱却

2019年05月26日

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・上場するリユース企業10社のうち6社が増収、4社が減益
・人件費や新規出店費用、販促費用により減益となった
・一方、商材追加や不採算店舗の整理による黒字転換を遂げるものもあった

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上場リユース企業決算
収益改善が急務 求められる従来モデルからの脱却


上場するリユース企業10社の業績がまとまった。利益率を改善した企業がある一方、低収益が続く企業もある。フリマアプリの登場で市場の拡大が進む中、リユース企業の収益改善が急務となっている。

上場する主なリユース企業のうち、2月・3月決算の10社の業績を下図にまとめた。概ね増収を達成したが、減益は4社にのぼった。

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買取王国は営業利益が7割超の落ち込みとなった。主力であるメディア・ホビー・ブランドが継続して不調。工具専門業態の多店舗展開に投資し売上が向上するも、人件費や出店費用をカバーするに至らなかった。23期連続増収のハードオフも減益が続く。直営21店舗の新規出店費用や公式アプリの販促費用が重しとなり利益減退に至ったと説明した。シュッピンは新品カメラが伸び悩む中、中古カメラが売上げを牽引。ただ、買取販売を買替えの促進やセールの実施で強化した結果、粗利率が低下。上半期の販管費の増加も相まって減益となった。

一方で、収益改善により黒字転換を達成した企業も目立った。ブックオフは既存店業績が好調で営業利益を底上げし、4期ぶりの黒字に。地域特性に応じた商材の追加や大型複合店の出店といった取り組みが功を奏した。テイツーも期初計画通り黒字転換。中古品全体としては伸び悩むも、利益率の高い古本を在庫最適化で強化した。不採算店舗の整理やシステム投資を継続し、黒字体質の確立に取り組む。トレジャー・ファクトリーは、商材に応じた売り場づくりや出張買取・物流網の体制整備、独自のPOSシステムによるデータ経営を推し進める。営業増益は2期ぶりとなるが、好調な買取による増収と粗利率の改善が寄与した。

リユース市場としては拡大が続いているものの、近年は低収益が目立っており従来型モデルの限界が見られる。収益改善への取り組みが遅れれば、市場で取り残されることになりそうだ。

第464号(2019/05/25発行)1面

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