リサイクルマート、店長の言葉に背中押され母の指輪売却した女性客

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リサイクルマート、店長の言葉に背中押され母の指輪売却した女性客

2019年11月09日

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~遺品ダイアリー~
思い手に寄りそって Story2

遺品は故人の人生そのものであり、残された者へのメッセージです。遺品整理の現場から生まれたストーリーをお伝えします。

リサイクルマート焼津店
店長の言葉に背中押され母の指輪売却した女性客

リサイクルマート焼津店(静岡県焼津市)は2014年11月1日にオープンした総合買取ショップだ。特に遺品整理や生前整理をアピールしているわけではないが、近隣に幅広く買い取る店があまりないため、貴金属を中心に親の遺品を持ち込む人が少なくない。

査定中の細羽店長査定中の細羽店長

約3年前、同店に30代半ば位に見える女性が来店した。細羽めぐみ店長が声をかけると、女性は意を決したように「実は母の形見を売りたいのですが」と言った。そこで店の奥にある査定コーナーに案内すると、女性はおずおずと3つの指輪をカウンターの上にそっと置き、こう語った。

「この指輪は母がいつも嵌めていたものです。数年前に亡くなってから、これを母だと思って大切に身に付けてきましたが、どうしても換金する必要があって持ってきました」

細羽店長は3つの指輪を丁寧に査定したが、どれも水晶系の色宝石で、値が付くものは一つもなかった。換金できるのは土台のゴールドのみ。それでも2万〜3万円程度だ。その事実と買取価格、宝石を土台から切り離す必要があることを告げると、女性は押し黙ってしまった。

母親の気持ち代弁した言葉が女性の心動かす

その様子を見て、細羽店長は自分がもしこの女性の母親で、今の状況を見ていたらどう思うか考え、こう語りかけた。

「思うのですが、お母様の魂はきっとお客様と一緒におられて、ご自分の指輪が子どもの役に立つのを喜ばれていると思うのです。それに石はルースで残るのですから、形見がなくなるわけではありません」と。女性はその言葉に背中を押され、ようやく売却を決意することが出来た。

「大切な形見の宝石を傷つけてはいけないと、土台から取り出すときは物凄く神経を使いました。残ったルースをプレゼント用の指輪ケースに入れてお渡ししたところ、お客様は気持ちが嬉しいと涙ぐまれ、私も胸がいっぱいになってしまいました」と細羽店長。

昨今は親が亡くなってすぐに遺品を売りにくるお客も多い。そんな中で形見を手放すことに葛藤する女性の姿が心に響き、時が経っても忘れられないお客の一人になっている。

プレゼント用のボックスプレゼント用のボックス

終活カウンセラーの資格活用し、お客様の役に立ちたい
細羽めぐみ 店長リサイクルマート焼津店 細羽めぐみ店長「遺品の売却は思い出を処分するのと同じとお考えの方がおられます。そうではないことを伝えたい」と細羽めぐみ店長。遺品整理の相談を受けることが増え、もっとお客の役に立ちたいと一般社団法人終活カウンセラー協会の終活カウンセラー初級資格を取得した。故人が子どものためにと残した物でも、ライフスタイルが異なり、使えない物も多々ある。売却を通じて必要とする人に利用してもらうことが、故人の供養になると考えている。今後は生前整理・遺品整理を推進する終活セミナーを開催する予定だ。

第474号(2019/10/25発行)19面

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