見よ!これが日本のリユース技術だ

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見よ!これが日本のリユース技術だ

2014年01月10日

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リユースチェーンが日本地図を埋めていく。ネットを介した中古品売買も盛んだ。そんな陣取り合戦を横目に、「本物のリユース」を突き進める企業が力をつけている。中古品に安心や付加価値をプラスオンして世に出す転売ではなく、「Remaker(再生小売業)」を選択した企業だ。その裏側を公開する。

Part1
良品のみを買い取るのではなく、技術力でリユース率を上げた事例を紹介する。

群馬県藤岡市に、敷地面積1500坪のリサイクルセンターがある。そこには、年間7万台の買取家電が運び込まれる。使用感のあるそれらの商品は、センターから出る時にはピカピカに磨き上げられている。

見た目だけでは無い。機能のチェックや修理も施されているため、消費者は安心してそれらリユース品を使うことができる。

センターを運営しているのはヤマダ電機グループで、総合リユースの再楽館・再楽リプラスなど7店運営するシーアイシー(以下、CIC:群馬県高崎市)だ。同社は、2005年から本格的に検査や修理を仕組み化してきた。テレビや冷蔵庫、洗濯機、エアコンに加え、小型家電25品目の再商品化を行っている。現在では、入荷した内の85%をリユース品として再生できる。

入荷した中古家電の内、例えば冷蔵庫なら90%が修理不要な良品だが、テレビは40%が要修理品、洗濯機は半分が要修理だ。実は同社も、以前は集めた商品の内50%をリユースできなかったと言う。

「製品の展開図を取り寄せて、製品を壊したり分解したり。それを再び組み立てて勉強しました。修理技術を持っている会社に教わったりもして、修理技術を上げていきました」(太田社長)

エアコンは冷媒ガス入替え

中でも、「国内唯一では」というのがエアコンの再生だ。

冷媒管を真空引きしてホコリやゴミを吸引。不純物を取り除いて古いガスを回収し、よく冷える新たなガスを注入する。冷媒のガスが古かったり漏れていると冷えが悪くなるためだ。エアコンの効きが悪い時に業者にガスチャージを依頼すると、その相場は「2万円程度」(太田社長)かかるが、CICの中古エアコンは事前にその処置が済んでいるのだ。

「リユース率を高めたことで、リサイクルや廃棄にかけていたコストを年間3000万円圧縮。それを価格に還元しています。キレイで新品に遜色無い商品を、お客さんに低価格で届けられるようになりました」(太田社長)

冷蔵庫は24項目全方位検査

良品か要修理かの点検も徹底している。

例えば冷蔵庫なら、24時間冷やして検査。冷凍庫や野菜室、チルド室の最高温度と最低温度を記録し、きちんと食品を冷やすことができるか検査。その他にも、パッキンの変色や破損、異音が無いかどうか、棚やポケットの有無など全方位の検査を24項目行う。

使用時を想定した検査が基本で、洗濯機も実際に水を出して衣類を入れ、家庭で使う時と同じ負荷をかけてまわしている。

検査や修理で機能面をクリアした製品は、次に隅々までクリーニングする。冷蔵庫はニオイやカビが生じやすいため、洗浄にはアルカリイオン水を使用。ニオイが重度のものは分解洗浄も行う。洗濯機はクリーニングした上でフィルターは新品に交換。消費者が気持ち良く使えるよう徹底的に磨き上げるのだ。

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335号(2014/01/10発行)1面

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