リユース企業 成長率ランキング2024(2023年度版)

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リユース企業 成長率ランキング2024(2023年度版)

2025年01月17日

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リユース企業 成長率ランキング2024がまとまりました。リユース業界専門紙「リユース経済新聞」がリユース企業の実態を調査、リユース企業の中でも成長著しい会社TOP15社をランキング形式で紹介します。尚、2023年度の実績値となります。

 目次

  1:リユース企業 成長率ランキングとは?

  2:リユース業界の市場規模は?

  3:ランキングTOP10社を紹介

  4:2024年(2023年度)調査から見えた変化

  5:まとめ

1:リユース企業 成長率ランキングとは?

リユース企業 成長率ランキングは、リユース経済新聞が毎年1回、全国のリユース企業を対象に行う調査「中古(リユース)売上ランキング」をもとに、前年と本年の売上額を比較し算出しています。

そのうちリユース企業の成長率ランキングでは、会社の規模を問わず前年よりも大幅な増収をした会社が対象になります。店舗や商圏の拡大、新サービスやM&Aにより、前年から大幅に勢いを増した企業をまとめています。

その他、総合的な調査結果はコチラの記事を参照ください:リユース売上ランキング2024 BEST300(2023年度実績)

「リユース売上ランキング2024」調査概要

調査概要:2023年度におけるリユース売上高を基に順位付けを行った。23年4月から24年3月までのいずれかを通期決算月として締めたリユース売上を23年度実績とした(一部企業においてはその限りでない)。

調査期間・方法:2024年5~6月に、インターネットフォーム、FAX、電話、メールのいずれかで回答を受け付けた。

2:リユース業界の市場規模は?

ランキング入りした企業の紹介に入る前に、リユース業界の市場規模についてご紹介します。 

2023年度のリユース業界の市場規模は31227億円となり、前年比7.8%増、14年連続で成長を続けています。新型コロナの影響が薄れて人流が回復してきたこともあり、店舗販売やEC販売が業界の市場規模を押し上げる形となっています。

具体的には、店舗販売(BtoC)が好調に推移しており、前年比7.5%増の11442億円に拡大しています。EC販売(BtoC)も同12.0%増となりました。一方、フリマアプリなどのEC販売(CtoC)では同6.4%増と、前年に続いて成長率が鈍化しています。その結果、BtoCの店舗販売及びEC販売が、共にCtoCネット販売の成長率を上回る結果となりました。

 2015年以降、リユース市場拡大の牽引役はフリマアプリでした。そうした中、フリマアプリが法人による公式ショップを解禁したことで、リユース企業の成長がフリマアプリを上回る形に。また、リユースに参入する一次流通企業も増加傾向です。

 今後は、リユース企業とフリマアプリ、そして一次流通企業が市場成長を牽引することになるでしょう。本紙の推計では、リユース業界の市場規模は2030年には4兆円規模まで拡大する見通しです。

出典:リユース業界の市場規模推計2024(2023年版)リユース経済新聞2024年9月25日号

3:ランキングTOP10社を紹介

ここからは、成長率ランキングのTOP10社を紹介していきます。

※印はリユース経済新聞の推計値であり、正確な数字とは異なる場合があります。

10位 ケイ・ブックス(K-BOOKS) 成長率 ※147.2%

11位は、ケイ・ブックスです。東京・池袋を中心に、大阪・名古屋で古本コミックスやアニメグッズの小売店「K-BOOKS」を運営しています。ユーチューバー等のグッズを扱う「動画館」、韓流の「K-POP館」等を展開。23年には複数店舗をリニューアルし、インバウンド需要の取り込みを図っています。

8位(※8位は同率で二社) ダイヤモンドセブン(ダイヤモンドセブン) 成長率 150.0%

8位は、東京都新宿区に本社を置くダイヤモンドセブンです。ブランドリユース店「ダイヤモンドセブン」のほか、大阪・心斎橋で質預かりと買取サービス「ラグジュアリーセブン」を、滋賀県草津市と三重県松阪市で「大阪屋」を運営しています。

8位 貴瞬(色石BANK) 成長率 150.0%

同じく8位は、色石の加工・ブランディング・販売を行う貴瞬です。国内外で販路を拡大しており、海外売上高ではリユース企業トップとなりました。24年には真珠のアップサイクル事業を展開するなど商材を拡大。また同年大阪支店のリニューアルを行い、関西エリアの買取りを強化しています。

7位 MTC(売るナビ) 成長率 ※156.2%

7位にはMTCがランクインしました。全国に179店舗を展開する(25年1月現在)、「売るナビ」のFC展開および店舗サポート等、コンサルティング業務を行っています。同店ではブランド品、時計、貴金属、切手等の買取りを行っており、商業施設への出店を拡大中です。

6位 ペンギントレード(―) 成長率 166.6%

6位は、ペンギントレードです。ブランド品の買取販売を行い、事業者からの買取りに強みを持っています。24年からはブランド品オークション「ペンギンオークション」や「JRBオークション」の運営を手掛けています。同年10月からはブランド品の委託販売サービスを開始しました。

5位 むすび(買取むすび) 成長率 ※168.6%

5位は「買取むすび」を出店する、むすびです。関東を中心に静岡や愛知、岐阜、広島などに進出しています。大規模商業施設への出店による、リピート顧客の獲得等を強みに規模を拡大してきました。24年2月からBuySell Technologiesの傘下に入っています。

関連記事:バイセルテクノロジーズ、買取店「むすび」の株式取得で基本合意

4位 パーパス(VINTAGE LOVER PURPOSE) 成長率 169.0%

4位は、パーパスです。ブランドバッグ等を店舗・ECで扱っています。海外向けにはECモールのほかSNS、ライブコマース販売も展開。ECリユース売上高ランキングでは6位にランクインしました。リユース売上高は前年比169%で、前年の成長率を上回っています。

3位 ネクストトゥエンティワン(ジャックロード、ベティロード) 成長率 170.0%

4位とわずかに差をつけたのが、3位のネクストトゥエンティワンです。ブランド品等の買取販売を行っています。東京・中野にメンズ時計店の「ジャックロード」など3店舗を展開。タイ・韓国等のSNSに広告を掲載するなど海外マーケティングに注力しており、訪日客増加で高い成長率を記録しました。

2位 エンパワー(買取大吉) 成長率 176.0%

2位につけたのは、買取専門店「買取大吉」の直営店展開とFC本部を運営するエンパワーです。テレビCM等のマーケティング戦略でFC出店を拡大し、24年7月に1000店舗を突破しました。ブランド品などを競る「DAIKICHI AUCTION」も主催しています。

1位 パステック (モバステ) 成長率 200.0%

1位のパステックは、昨年同様の順位をキープしました。「モバステ」の屋号で、スマホやタブレット等の買取専門店を展開。店舗網は北海道・東京・大阪など全国に広がっています。23年度は売上高のうち7割を海外輸出が占めるなど、海外向け販路を強みに成長しています。

4:2024年(2023年度)調査から見えた変化

リユース企業 成長率ランキングでは、フランチャイズ展開をメインとする企業陣がしのぎを削る中、パステック、パーパスといった、海外に販路を持つ企業が存在感を放ちました。特にパステックは、中古スマホの取り扱いで拡大を続けています。

またエンパワーやペンギントレードなど、自社で古物市場を開始する企業が結果を残しています。市場の運営によって、商材を入口から出口まで支援できる体制が整うため、加盟店募集の際、アピールが可能に。こうした取り組みは、各社の成長率を左右する端緒となるかもしれません。

24年は、訪日需要が追い風となりリユース品の注目度が高まりました。この流れを受けて、ネクストトゥエンティワンやケイ・ブックスはインバウンド客の取り込みに力を入れています。こうした市場動向の読み解きは、今後売上拡大を目指すリユース事業者にとって必須となりそうです。

5:まとめ

本調査ではリユース企業の成長率についてまとめました。いずれの企業も、継続的な出店戦略や専門商材の取り扱いなど、独自の強みに磨きをかけることで、勢いを増していることが分かります。

また今回ランクインした10社のうち、前年に続き入賞となったパステック、エンパワー、貴瞬は高い成長率をキープしています。一方、初ランクインとなる企業も多く、今後も順位変動が大いに予想されます。

ランクイン各社が今後、どのような取り組みを強めていくのか。今後のリユース業界の動きにも、ますます注目が高まりそうです。

リユース経済新聞では、全国のリユース企業等を取材しており、マーケットや企業の動向等の情報を発信しています。

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