リユース業界の市場規模推計2023(2022年版)

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リユース業界の市場規模推計2023(2022年版)

2023年09月23日

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リサイクル通信が独自にリユース市場規模の推計を行なったところ、2022年の市場規模は前年比7.4%増の2.9兆円となった。調査対象とした2009年以降13年連続での拡大。新型コロナの影響で成長は一時的に停滞したものの、人流回復の影響もあり店舗販売(BtoC)の市場規模が1兆円を超えた。

物価高がリユースに追い風、市場規模は2.9兆円に

リアル店舗販売の市場規模が1兆円超え

データで見るリユース市場 リユース市場規模の推移と予測

データで見るリユース市場 2022年リユース市場規模

データで見るリユース市場 2022年リユース市場規模 商材別

2022年のリユース市場規模は、前年比7.4%増の2兆8976億円。3兆円規模には届かなかったものの、2009年以降13年連続での拡大だ。資源価格の上昇や円安の進行を背景に物価が上昇、消費者の生活防衛意識の高まりから、新品よりも割安なリユース品が注目を集めた。

販売経路別では、新型コロナの影響が薄れ、人流が回復してきたこともあり、店舗販売(BtoC)が前年比7.2%増と前年に続いて増加。市場規模が1兆円を超える1兆643億円となった。ネット販売(BtoC)も堅調な伸びをみせ、同8.5%増となっている。フリマアプリ等のネット販売(CtoC)は、同6.8%増で伸びたものの、これまで続いていた2ケタ成長が止まり、減速感が見られる。

商材別では、トレーディングカードを含む「玩具・模型」が昨年に続いて大幅に増加。前年比17.5%増で2000億円台の規模に拡大。また、外出自粛も明けたことから、「衣料・服飾品」が同11.6%増の5119億円となった。これらと比べて規模はまだ小さいものの、「携帯・スマホ」が同17.1%増の691億円に。新品端末の価格上昇により、割安なリユース品の需要は増えそうで、今後の伸びが期待される。

リユース市場は新型コロナの影響により、2020年に一時的に停滞感が見られたものの、その後大きな伸びを示している。経済的な混乱により生じた物価の上昇や新品不足等は、結果的に割安なリユース品が注目を集める形となった。ただ、リユースの浸透はまだ道半ばだ。本紙推計によるリユース品の購入者人口は2020年で3400万人と人口の27%に過ぎない。2030年には4兆円規模に拡大すると予測しているものの、何もせずして自然に伸びるわけではない。市場が追い風にある今、売り買いにおける顧客体験価値の向上を通して、購入者人口の拡大を図ることが必要だ。


リユース市場に関するより詳細な情報は、「リユース市場データブック」に収録しています。


第568号(2023/09/25発行)11面

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