《繁盛店の店づくりVol.205》KAIDO books & coffee(東京都品川区)、企業や自治体が協力し 魅力溢れるブックカフェに

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《繁盛店の店づくりVol.205》KAIDO books & coffee(東京都品川区)、企業や自治体が協力し 魅力溢れるブックカフェに

2019年09月03日

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《繁盛店の店づくりVol.205》

KAIDO books & coffee(東京都品川区)

IMG_6934.jpgのサムネイル画像▲佐藤 亮太さん


しながわ街づくり計画代表取締役

リクルートでの経験を経て、地元・北品川を住み心地のよい街にしようと「しながわ街づくり計画」を10年前に設立。
活動を続ける中で、商店街に子どもから高齢者まで集まれる空間が必要だと思い、カフェをオープンさせることに。旅や街道にまつわる本を扱っていた古書店「街道文庫」(店主:田中義巳さん)とコラボし、4年前に「KAIDO books & coffee」をオープンさせた。

品川区の空き店舗活性化事業の助成を受け、「旅」をコンセプトにオープンしたブックカフェ「KAIDO books & coffee」。そのコンセプトに共感した企業や自治体が店舗づくりに協力。人が集まりたくなる魅力的な空間になっている。

「心が和む空間を作りたかったので、木をたくさん使いたかった。安く済むと思って間伐材を使った本棚を考えたのですが、実際はその方がものすごく高価だったんです(笑)」。そう話すのは同店代表の佐藤亮太さんだ。

同店が入る前、1階と2階がある広い店舗は家賃の高さもあり、しばらく空き店舗になっていた。品川区の空き店舗活性化事業の助成も受けたが、開店には莫大なお金がかかる。

なんとかお金をかけない方法はないかと模索する中、色々な自治体や企業から協力を得ることができた。間伐材の本棚やヒノキのテーブルなどは佐藤さんの行動力の賜物だ。

IMG_6940 - コピー.jpg▲2階には「街道文庫」の古書(委託販売)約1万2,000冊が並ぶ。本棚は、ITOKIの家具製作を通した地域材活用ソリューション「Econifa(エコニファ)」の製品。開店準備中、佐藤さんは国内の間伐材を使った本棚を使いたいと考えていた。品川区に相談したところ、区と交流のあった山間部の街・山梨県早川町を紹介された。さらに早川町からITOKIの取り組みを教えてもらい、同社に掛け合ったところ、サンプル品として什器を貸してもらえることになった。レンタルとはいえ、すべて店舗のサイズに合わせた特注品だ

IMG_6947.jpg▲2階のテーブルの天板は、長野県飯田市の川底から発見された2,300年前のヒノキ。このテーブルも飯田市からPRも兼ねて借りている。リニア中央新幹線により、品川と飯田市がつながることから交流があったことがキッカケ。学校で使われていた椅子は、佐藤さんの母校から譲り受けたもの。その他1、2階のソファも品川区から廃棄予定のものを譲り受けて使用している。

IMG_7044.jpg▲1階のカウンターで使用されている「白煉瓦」は、国産耐火煉瓦製造の草分け的存在、品川白煉瓦(現:品川リフラクトリーズ)から提供されたもの。もともと会社が店舗の近くにあったことから実現した

店を運営していく上で要となるのは飲食=カフェだ。平日のお客は地元で働く人や親子連れ、高齢者が多い。休日になると客層が変わり、地元の若い人や、近隣の美術館巡りの観光客が来店するケースも増えている。今はカフェが好調で、売れ筋は手作りソーセージのホットドッグ。カフェの業績が店を支えている。

IMG_7076.jpg▲1階はオープンカフェ。お客が気軽に立ち寄れる雰囲気だ

IMG_7090.jpg▲同店が面している商店街通りは旧東海道だ

「本当は古書をもっとPRしたいのですが、貴重な本が多く、あまり売れても困ってしまいます。ゆっくりと2階で本を読み。本当に気に入ったら買っていただきたいと思います」

今後は古書やカフェにこだわらず、「人が集まれる場所」を増やしていきたいと佐藤さん。「ホットドッグ屋さんでもいいし、品川らしく海苔屋さんでもいい。場所にあったお店を考えたいと思います」

IMG_6964 - コピー.jpg▲今では手に入らない貴重な旅や街道に関する本が並ぶ本棚。前面にはライトを取り付け、明るく見やすくしている。

IMG_6987.jpg▲2階には長野県飯田市や滋賀県長浜市など、自治体をPRするコーナーもある


●店舗データ
●オープン/2015年8月
●商品構成/古書、カフェ
●店舗面積/約30坪(1、2階合わせて)
●店頭在庫/約1万2,000点
●客単価/約900円(カフェのみ)
●月の売上げ/約150万円
●スタッフ数/7人

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