成長企業の戦略(5)e☆イヤホン、まずはイヤホン市場の開拓

検索

成長企業の戦略(5)e☆イヤホン、まずはイヤホン市場の開拓

2017年01月20日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

まずはイヤホン市場の開拓
初心者にも分かる接客を

e☆イヤホン (イヤホン)

150%UP!!
中古売上4億円(2014年2月期)→10億円(2015年2月期)

新品中古イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」のタイムマシン(大阪府大阪市) は、2014年度から2015年度にかけ全体売上を36億円から、60億円と大きく伸ばした。中古単体で見ても、4億円から10億円と成長している。

好調な理由は、「客層に広がりがあったこと。これまで10代後半から30代男性が大半だったお客様が、近年は女性や50代以上の中高年の方も同じ比率ぐらいに高まっている」(松田信行室長)。

スマホの普及でイヤホンユーザーが増加したなど外的要因も大きいと言うが、「コアユーザーが広がるように複数の仕掛けをしてきた」と言う。

先行して行ってきたのが初心者の開拓。東京や大阪などで6店運営する実店舗に、工夫を施す。

まず店頭には、女性スタッフを積極的に採用。「初心者のお客様の場合は、女性スタッフの方が話しかけやすいという人も多いんです」。とある店舗では、全体の6割を女性スタッフが占める。スタッフそれぞれが専門的な知識を持ち合わせる一方で、初心者に合わせた接客も可能。「スタッフには、店頭商品のクリーニング作業の傍らで、様々なアイテムの視聴をするように指示しています。これで耳を鍛え、自分個人のモノサシを養います。そういう風にすると、『J-POPを聴くならこれがオススメです』なんて、噛み砕いた簡単な言葉で接客できるようになるんです」。

また中古に関しては、店構えにも変化をつけた。買取・修理のカウンターを目立つところに配置したのだ。

「秋葉原では入り口すぐが買取・修理カウンターです。特に修理は全面透明な壁にし、作業する姿が見えるようにしています」。テーマパーク感覚で、初心者も楽しめる店内を演出。

イヤホンに特化しているからこその、濃い店づくりとサービスが新規客を夢中にさせているようだ。

同社の最大の狙いは、イヤホン市場の開拓だ。「イヤホンにこだわる人が増えたら、自然と中古、買取、修理なども上がってくるでしょう。まずはこれまでガジェットに興味の無かったお客さんを取り込み、巻き込む。好きな人には、ますますこだわりの1品を勧められるようにしたい」

イベントで数万人集客知名度アップ

ポタフェスのHPポタフェスのHP

同社は、世界各国のイヤホンが集結する、自社イベントのポタフェスやテレビ番組等メディアにも頻繁に露出し、消費者との接点を多く持つ戦略を取っている。

「ポタフェスでは、店舗のない地方や主要都市でイヤホンの販売を行い数万人単位で集客しています。ここでe☆イヤホンを知って、ネット通販へ集客に繋げられることもあります」。

407号(2017/01/10発行)12-13面

Page top
閉じる