「経験則では危険」海外仕入れ動植物素材に要注意

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「経験則では危険」海外仕入れ動植物素材に要注意

2019年03月05日

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意外と知らない
法律問題 ワシントン条約

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経済産業省
野生動植物貿易審査室  河野光浩室長

海外からの仕入れや海外への販売の際、輸出入が禁止されている商品に出くわすこともあるはず。
動植物の輸出入制限を定めているものの一つが 、ワシントン条約(以下CITES)だ。この運用を行う経済産業省の野生動植物貿易審査室の河野光浩室長に話を聞き、年数千件の申請書類を処理する同室の経験から、海外での仕入れや輸出の際に気を付けるべきポイントを取材した。

-そもそもCITES(サイテス)とはどういった条約なのですか。

河野 絶滅の恐れのある動植物とその派生品の輸出入を制限するための条約になります。183ヵ国が加盟し、附属書ⅠからⅢで構成されています。附属書Ⅰには1003種が登録されており 、規制が非常に厳しい分類になる。附属書Ⅱはその30倍以上の種(亜種含む)が登録されており、規制も比較的緩やかです。Ⅲに関してはやや特殊で加盟国が自国内で保護したい動植物が登録されています。品目によって、加工品が除外される場合や最終加工品のみ除外される場合などもあります。


-厳しい規制ということですが、どういった種にどのような規制がかけられているのでしょう。

河野 附属書Ⅰは基本的には学術目的以外での輸出入が禁止されています。一部、非常に古いものであることが証明できる場合には例 外となる場合もありますが。代表的なものとしては象牙やべっこう。特に象牙については、三味線のバチや茶具のナツメの蓋の取っ手、高価な掛け軸のほか高価なピアノの鍵盤などにも使用されていることがあるので注意が必要です。輸出する側の国の政府に必要書類をまとめて提出すれば、商業目的でも輸出許可が出ます。ワニやヘビのレザーバッグや時計のバンドなどは要注意です。外国人に販売する場合には注意すべきですね。


-近年、ギターの輸出入でトラブルがあると聞いたのですが。

河野 最近楽器に使われることのあるローズウッドの規制が拡大されました。ブラジリアンローズウッドなど一部は附属書Ⅰに含まれていますが、大半が附属書Ⅱです。2017年から原木のみでなく、全形態が規制対象になっています。なので、ピッコロやマリンバ、ギターなどの楽器にも注意する必要がある。ブラジリアンローズウッドについては木彫りの彫刻などにも使用されていますね。ただし、ローズウッドについては色味だけの場合も多いので、本物かどうかや、種類特定をしっかりするようにしてください。


-輸出申請はどのようにすればよいですか。

河野 輸出申請は売る側が行います。手続きは有料で必要な時間や詳細は各国違いますが、日本だと1週間前後、長い場合で3週間程度でしょうか。長い国では1ヵ月ほどかかる場合もありますね。不備があると長引く場合もあるので早めの用意がおすすめです。ただし、期限は基本半年で、国によっては有効期間が短くなる場合もあります。


-規制されている種類数は相当あるようですよね。全て確認するわけにはいかないと思う のですが、どう対処していけばいいのでしょう。

河野 エキゾチックレザーなど珍しい動植物が関連する場合には随時確認すべきですね。附属書自体も3年に一度改定されます。税関を一度通ったからと言って合法とは限りません。改訂される場合もありますし、税関もあくまで人間。間違って見落とすことがないとも言えませんから経験則に頼らず都度経産省のHPなどで確認すべき。もし、国内に持ち込んでしまってから発覚した場合には国内法で罰則対象となる可能性もあるので要注意です。

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第458号(2019/02/25発行)10面

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