《トップINTER VIEW》ラクサス・テクノロジーズ 児玉昇司社長、ブランドバッグ定額レンタルを展開

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《トップINTER VIEW》ラクサス・テクノロジーズ 児玉昇司社長、ブランドバッグ定額レンタルを展開

2019年06月16日

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ブランドバッグレンタルのラクサス・テクノロジー児玉昇司社長へのインタビュー。
会員の退会タイミングや好みをAIで分析し、90%以上の利用継続率を保持。
利用者の不使用バッグを貸出し、在庫を増やして利用者拡大を狙う。

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ラクサス・テクノロジーズ

リユース企業からの預かり販売も強化

ラクサス - コピー.jpg▲ラクサス・テクノロジーズ 児玉昇司社長

近年、さまざまな業種が参入している定額のサブスクリプションサービス。2015年2月にサービスを開始し、業界の先駆け的存在として知られるのがブランドバッグレンタル「ラクサス」を展開するラクサス・テクノロジーズ(広島県広島市)だ。利用者の実態や今後の展開を代表の児玉昇司氏に聞いた。

交換頻度は1.5ヵ月幅広い年代で利用

--有料会員が増えているそうですが、今どれぐらいですか。

児玉 毎月定額の有料会員で2万人を超えました。いいカバンがあった時だけ借りる会員数も30万人を超えています。1カ月だけ借りるのは安いので、そういう使い方をする方もいます。

--利用者は、若い方が中心ですか。

児玉 24歳から50歳超えたぐらいで、フラットにいますね。年齢とかじゃなくて、おそらくサービスに対するリテラシーの問題かと。だからサービスを知ってるか、知っていないかの問題なんです。

--バッグを毎月交換できますが、頻度はどれぐらいですか。

児玉 大体3カ月で2個借りるっていう方が多いですよ。週1で交換する人もいれば、半年とか、1年とかずーっと返さない人もいるし、平均取ると1.5カ月に1個ですね。

--利用期間は長い方がいいんでしょうか。

児玉 利益を考えると長い方がいいです。だけど、ビジネスの良さを分かってもらえないじゃないですか。実はサブスクで一番難しいのは、その辺のさじ加減なんです。ビジネスサイドで考えたら、忘れられる存在がいいんだと言う人がいるんですが、僕は全然セクシーだと思ってない、結構ダサいなと。1カ月に1回とかドンドン交換してもらうことによって、我々のコアバリューが分かるんです。面白いことにこの4年間で分かったのが、3カ月、4カ月放置する人はやっぱりやめるんですよ。交換が多いと送料とかで足元の利益は減るけれども、継続率が1%上がると一気に取り返すんです。なので、交換してもらわないといけないですよね。

--その継続率が御社の場合、90%以上と聞いてます。

児玉 5、6カ月超えたら、もう98%で固定されるんですよ。もうほぼやめませんね。4年前にローンチして1カ月目に入ったユーザーの半分ぐらいにまだお金を払って頂いています。

--98%ってこれ以上上げられないですよね。

児玉 微妙にやめてるのでこの辺りを何とか。チャーン(解約)を減らすっていうのが非常に大事なんです。

--どうしてそんなに継続率が高いのでしょう。

児玉 AIで退会するタイミング、こういう人が退会するよっていうのが分かってくるんです。それに対してケアを行っています。

在庫の3分の1をユーザーから調達

--利用者の伸びはいかがですか。

児玉 かつてと比べたらやっぱり伸び率は鈍化してます。やっぱりカバンの数が足らないっていうのがあって。

--商品をどう揃えるかは大きい課題ですよね。

児玉 やっぱり費用は先にかかるから資金力は必要かもしれない。ただ、うちの場合は、ユーザーのカバンもあるんですよ。お預かりしたカバンをお貸しするっていうのをやっているので。

--確か2万4000ほど調達されてますが、これがまるまるそのまま貸し出しに回るのですか。

児玉 もちろんキュレーションして貸せないバッグもあるんです。中にはやっぱりコンディションの問題だったり、不合格品、つまり偽物だったりってあるんですよね。

--どれぐらいが貸し出しに回りますか。

児玉 半分ぐらいまでドロップしますね。

--貸出在庫の内、自社調達とユーザーの割合は?

児玉 在庫が3万4000ぐらいで、大体2対1ぐらいかな。うちのカバンのアセットが多いので、それを少しずつ逆転させていこうとやっています。ゆくゆくはユーザーのカバンだけでやっていこうと考えてます。

--調達がかなり楽になりますよね。中には貸し借り両方利用される方もいるんですか。

児玉 4000人くらいいます。4個5個うちに貸すと、1個とか無料で借りれるぐらいになるんですよ。これぐらい持ってる女の子って基本的に持ってないカバンを使いたいっていうのが多いんですよ。だから、もう飽きて使わないんですよ。だけどそれを捨てるかどうかっていうのもちょっとねみたいな感じなんです。

--こういう方が増えたら強いですよね。メルカリで言う、売り手が買い手になるような。

児玉 まさにそこなんです。おっしゃる通りで、4個5個とか貸して1個借りてくれるから、お客さんってよく増えるんですよね。

--在庫もドンドン増えていきますよね。

児玉 だから、そういう何か無限増殖を狙っているんです。そんな感じになってきたので会員が伸びていくのかなあと思ってます。でもやっぱりまだまだ、最初の入り口はいいカバンじゃないと駄目なんですよね。

シャネル好きはグッチが嫌い

--在庫は多い方がいいんでしょうが、借り手とのマッチングも難しいですよね。

児玉 そこ面白くて。ちょっと変わったバッグって一見借りないんですけど、借りてるんですよ。初心者はやっぱり1回目はもうちょっと高い、いいカバンがいいよねってなるのでスタンダードのシャネルだったりボッテガとかを借りるんですが、慣れると変わったものを借りていってくれるんですよね。ここまで行くと、もううちのサービスを楽しんでる感じになってますよね。

--その状態にどうやって持っていくんですか。

児玉 今うちはアンケートを取ってるんです。最初に絵を見せてこの絵好きですか、嫌いですかって、これを何個かのAIエンジンが走っていて分析しています。

--好みを把握するわけですか。

児玉 でもカバンを見せるわけじゃないんです。例えば朝日の絵が好きな人ってシャネルが好きなんですよ。でも、シャネルってこれでしょうみたいに嫌だって言ってても本当は好きなんですよ。そういう人に見せると、借りてくれるんですよ。そういう潜在的な好きも分かってくる。で、シャネルが嫌いな人って、グッチが好きなんです。逆にグッチが好きな人は、シャネルが嫌い。なぜか分からないですけど。なので、シャネルばっかり借りる人には、もうグッチを見せなくていいよねとなります。

--面白いですね、他にもブランドの相関ってあるんですか。

児玉 ありますね。バレンシアガとミュウミュウが好きな人はプラダが好きなので、要するにプラダとバレンシアガが好きでミュウミュウを借りてなければ、見せればいいんですよね。こういう相関が大体分かってきました。もっと言うとミュウミュウのことを知らないですよ。

--そうなんですか。

児玉 知らないものは検索できないじゃないですか。ブランド全部言える人っていないと思うんです。全部ハイブランドでも分かんないですよね。だから、見たらなるほどってなるのでうちはAIでお勧めしなければならないんですよ。

--てっきり新作に需要が偏ったりすると思ってましたが。

児玉 いや、それはまず間違ってて。デパートとかでも、新作が売れる率って5%もないんじゃないですかね。トラディショナルなものが9割以上。で、残り5%は色で絶対買わない赤・ピンク・緑とか、そんなのは常連さんしか買わないじゃないですか。ほとんどの方は冠婚葬祭に使えるのをくれっていうだけですよ。

--定番の需要が高いのは、衣料じゃなくてバッグだからですか。

児玉 ううん、値段が高いからです。冒険などできない、失敗なんて絶対できない。我々の場合は、もう失敗のない通販みたいなもんですから。だからチャレンジできる。やっぱり人間、高いものを買う時は失敗したくないんですよね。この辺りのマインドがレンタルと購入は多分違うんだろうなと思います。

最後は値下げ競争PF使って欲しい

--買取店が定額レンタルを始めるなど競合も増えてきました。

児玉 本質的にシェアリングって、物が同じだから最後は値下げ競争にしかならないんですよ。だから、うちのプラットフォームを使って貸出をしてもらえれば、ベネフィットをうちが保証するという話をしています。買取店は調達力あるし、うちがバッグ屋さんじゃないのでコンフリクトがないんですよ。リサイクル業界の方々のカバンをうちに預けてもらって、利息をお支払いして、何なら売りますよと。貸しながら売る。10個が全部貸し出しになっていれば、多分1カ月に2、3個ずつ売れていくんですよ。

-- 国内に限定すると、有料利用者ってどれぐらい行けると思いますか。

児玉 40万人ぐらいは間違いなく潜在的にいるのは分かってて。これはまだ2015年ぐらいのときの状態だったんだけど、シェアとかが浸透してくると、もっともっと増えると思うんですよ。今でこそタイムズさんのカーシェアとかやってるじゃないですか。もう10年ぐらい前からあったはずなんです。ブレイクスルーして、今ではみんなが知るようになってきました。知名度がないときは40万だけど、知名度が増してくるとそれが200万人だとか300万人とかになると思います。


●会社データ
社名 ラクサス・テクノロジーズ株式会社
本社所在地 広島県広島市中区中町8-18
      広島クリスタルプラザ14F
創業 2006年
代表取締役社長 児玉昇司 
資本金 16億324万円
事業内容  月額制高級バッグ借り放題サービス「ラクサス」、世界初のブランドバッグCtoC「ラクサスX」を展開

●社長プロフィール
児玉昇司(こだま・しょうじ)。広島県出身。1995年、早稲田大学入学半年後に最初の起業。会社売却などを経て、2006年にラクサス・テクノロジーズを創業。

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