FTF、中古レコード店が始めたフリマアプリ「GO DIG」 「捨てられる前に、掘り起こしたい」

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FTF、中古レコード店が始めたフリマアプリ「GO DIG」 「捨てられる前に、掘り起こしたい」

2019年06月24日

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中古レコード等を売買するFTFが、フリマアプリをリリースした。
レコードの写真をスマホで撮るだけで、手軽に出品できるのが特徴。
レコードが価値を認識されず捨てられる前に、市場に上げることが狙い。

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中古レコードを中心にCDやオーディオ等の売買を手掛けるのがFTF(東京都渋谷区)だ。ネット販売を主体に国内外に販売を行っている。そんな同社が今年4月にフリマアプリをリリースした。「限りあるレコードを捨ててしまうより、市場に出して欲しい」。開発の背景にはそんな想いが込められている。

ジャケ画像撮るだけで情報取得

レコード専門のフリマアプリ「GO DIG(ゴーディグ)」は、特化型の強みをいかし、手軽に出品できるのが特徴だ。レコードのジャケットをスマホで撮るだけで、画像認識により商品情報が自動で登録される。後は、コンディション、配送方法、販売価格等を入力すれば、出品が完了する。

P2.JPG▲ジャケットの写真を撮れば、自動で商品情報が表示される

CDとは異なり、レコードはバーコードがないものが大半なため、商品の特定が容易ではない。同社ではこれまで通販からネット販売で取り扱った約100万点にものぼる商品画像や商品名、アーティスト名等の販売データを基に、ユーザーが撮影した画像とデータベースの画像を瞬時に照合。商品を特定し、面倒な商品情報を入力する手間を省いている。売れずに残ってしまった場合、ユーザーが希望すれば同社で査定し、買取を行うこともできると言う。

国内外にネットと店舗で販売

FTFは、主にソウルやファンク、ジャズ等のブラックミュージックを扱う「フェイスレコード」、ロックやモダンジャズ等を扱う「ジェネラルレコード」を店舗とネットで展開する中古レコード店だ。創業は1994年で、紙のカタログを用いた通信販売から始まっている。その後、1996年に渋谷に店舗を設け、2001年に法人化を果たした。そして2012年からは越境ECのeBayを通じて海外への販売を開始。海外向けは月間1万2000枚を販売、売上の4割を占める重要な販路にもなっている。また、昨年7月には米国ニューヨークに店舗をオープン。ネットを中心に店舗でも国内外で展開している企業だ。

事業者向け出品ツールも開発

そんな同社がフリマアプリを開発したのは、家庭に眠ったレコードを市場に上がってくるようにするためだと言う。武井進一社長は、「多くのレコードは価値を認識されずにゴミとして捨てられてしまっています。再生産することができないだけに、これをなんとかしなければと考えました。自社で買い取ることにこだわるより、フリマアプリに出品して売買してもらえば、捨てられなくなる」と話す。

P3 - コピー.jpg▲武井進一社長

一般的なフリマアプリはCtoC取引を念頭に開発を行っているが、同社では事業者も積極的に参加してもらいたい考えだ。他のレコード店やリサイクル店が使うメリットが生まれるよう、店舗に誘導できるようなクーポンの発行等の機能の実装も検討していると言う。また事業者が大量に出品できるツールも今年7月中にはリリースする予定だ。初年度は11万点、2年目は50万点の出品を目指す。

「レコードは同じタイトルでも価格が異なったり、これは売れないだろうというものに思わぬ値段が付くことがあります。先入観を持たずにまずは相談してもらえれば」(同氏)と話す。同社ではレコードの査定アプリ「エコストアレコード」をユーザー向けに提供しており、事業者でもこれを通じて、買取価格が分かるサービスも提供している。

第465号(2019/06/10発行)24面

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