たんす屋、覚悟と勇気を持って「たんす屋創業祭」開催

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たんす屋、覚悟と勇気を持って「たんす屋創業祭」開催

2020年04月08日

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着物リサイクル春夏秋冬
第235回 コロナウイルス対策に奔走

中古着物を販売するたんす屋社長の中村健一氏が、自社の取り組みなどから中古着物業界について切る、本紙連載企画「着物春夏秋冬」。 たんす屋.jpg
東京山喜 (店名・たんす屋) 中村 健一 社長

1954年9月京都生まれ。77年 カリフォルニア州立大学ロングビーチ校留学、79年 慶応義塾大学卒業。同年東京山喜入社、87年 取締役京都支店長、91年 常務、93年 社長に就任、今に至る。

新型肺炎で予測不能の状況に直面
覚悟と勇気を持って創業祭開催

3月5日から9日まで、有楽町の東京交通会館で「たんす屋創業祭」を開催した。これは、年4回のたんす屋本部主催大型催事で、5日間で延べ数千人がご来場頂けるイベントである。

2月26日、安倍総理は、それまでのイベント開催に関しては、主催者の判断に任せるという方針から一転して、「この1、2週間が新型コロナウイルスの感染拡大防止に極めて重要であることを踏まえ、また、多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対策を要請します。」と述べた。

更に翌27日、安倍総理は、全国の小学校、中学校、高校と特別支援学校について、春休みを前倒しして3月2日から臨時休校にするよう要請した。

イベント自粛要請で状況一変

これを受けて社会の反応も大きく変わった。

社内でも、創業祭の開催に向けて議論を重ねた。芸能界でも、EXILEやPerfumeらが次々とライブを中止・延期し、吉本興業も主催公演の中止延期を発表するなど自粛ムードが高まった。そんな中、歌手・椎名林檎さんがボーカルを務めるバンド「東京事変」は2月29日、東京国際フォーラムでのライブを敢行した。会場はほぼ満席で、私は個人的には賛成だったが、ネット上では非難の声が圧倒的多数だった。

公共交通機関が通常運行をし、多くの商業施設が通常営業をする中で、果たしてイベント開催を一律に中止、延期する事に優位性があるのだろうか。

この潮流に一石を投じたのが、劇作家で演出家の野田秀樹氏だった。氏は「公演中止で本当に良いのか」と題し、ウエブサイト「NODAMAP」上で意見書を発表。「感染症の専門家と協議して考えられる対策を十全に施し、観客の理解を得ることを前提とした上で、予定される公演は実施されるべき」と意見を述べた。今、コロナウイルスの感染拡大を防止することがどれだけ重要なことであるかは、十分に理解し納得をした上で、それでも私は、野田秀樹氏の意見書にエールを送りたいと思っている。

さて、この環境下、たんす屋の本部主催の創業祭は、どうすべきか。当然ながら意見は割れ、なかなか決定的な決め手がない。どの意見にも一理ある。

こんな時は、実は正解は存在していないと思う。答えは、熟慮を重ねた上で判断を下し、下した判断によって導かれた結果に、最終責任者がとことん責任を負う覚悟を持つこと。そしてその決断を、社内のコンセンサスを取った上でお客様にお伝えすることではないだろうか。

熟慮の上で創業祭開催を決断

今回は、開催するリスク、延期するリスク、中止するリスクのどれを選択しても大きなリスクが存在した。

更に今の社会的風潮は開催リスクをマックスに感じさせるトレンドにある。最終的にこのリサイクル通信の原稿締切日の3月3日に、多くの方々のご意見を真摯に受け止めた上で開催の判断を一人で下した。

この判断が正しかったか否かは、今はわからない。

ただ私が今思うことは、新型コロナウイルスという目に見えない敵から我々人類が身を守る為にできることが、ただひたすら恐れ、家の中で外出を控え、マスクとティッシュとトイレットペーパーを買い溜め、嵐が過ぎ去るのをじっと耐えることだとはどうしても思えないのだ。

多くの専門家も指摘されているように、先ずは、徹底した手洗い、アルコール消毒、うがい、そしてマスクの着用などをした上で通常の経済活動に勤しむべきではないだろうか。

更に栄養と休養をしっかりと取って、自らの免疫力を高めるような自助努力が必要不可欠ではないだろうか。そして、体調不良や発熱のあった場合は、当然ながら勇気を持って社会活動を自粛するベきだろう。無論、持病のある高齢者や乳幼児は感染リスクを最小限に止めるように不要不急の外出を控えるべきだろう。

今だからこそお客様に楽しみを

今回、私が下した判断に少なからずご批判があるのは覚悟の上である。極めつけは、「もしもたんす屋の催事会場で感染者が出たらどうしますか。」の質問だ。答えは、当然ながら分かった時点で即刻中止する。

しかしながら、電車に乗ってもドラッグストアにトイレットペーパーを買いに行っても感染リスクがゼロである保証はない。小学校を休校にしても学童保育に行かせるならば感染リスクがゼロである保証はない。大事なことは、新型コロナウイルスの感染リスクを最小限にする為に、一人一人が自分の健康と免疫力を高める努力を徹底しておこなうことではないだろうか。

正解の見えない課題に向き合いながら、こんな時期だからこそ、お客様に安心して楽しんで頂ける創業祭を、万全の下準備と、勇気とやる気と元気を持って開催したが、いかがだろうか。

入念な準備で開催した創業祭入念な準備で開催した創業祭

第484号(2020/3/25発行)18面

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