マーケットエンタープライズ、買取のネット化 リアル店あってこそ進む

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マーケットエンタープライズ、買取のネット化 リアル店あってこそ進む

2020年07月03日

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コロナ提言INTER VIEW

コロナ下で買取需要が伸び、マーケットエンタープライズ(東京都中央区)が運営するリユース店掲載サイト「おいくら」への依頼数は過去最高水準にある。非対面サービスが今後重視される中、ネット型買取については、ロジスティクスの課題解決にリアル店の力が必要だと小林泰士社長は語る。

 

マーケットエンタープライズ 小林泰士社長マーケットエンタープライズ 小林泰士社長

 

コロナで買替え先送り高額品の買取が減

ーー非対面サービスに需要が集まっています。御社は買取サイト「高く売れるドットコム」シリーズを29サイト展開するなどネット型リユースを先進していますが、コロナ下ではどんな影響がありましたか。

小林 3月末までは、ネットでの買取りや販売に大きな影響はありませんでした。各リユース企業の様子を見ますと外出自粛の影響で売上が落ちてしまったのだと予想しますが、それと比べると私たちの影響は軽微だったという印象です。ですが、4月に入り緊急事態宣言が出され、当社も影響を受け始めていきました。

買取りは、非対面の宅配買取こそ微増でしたが、全体的に営業時間を35%削減したこともあり、出張買取や全国に10拠点あるリユースセンターへの持込買取については時短した分だけ影響が出ました。一方でネット販売には影響はなかったです。巣ごもり商品が売れたり、以前震災の時にも電動工具の販売価格が上がったように、相場が大きく変わるような商品もありました。

ーー高く売れるドットコムには月平均4万件の買取依頼があるそうですが、コロナ下では買取りに影響が出たのですね。

小林 換金ニーズが高まり買取依頼の数自体は減ってはいませんでしたが、時短営業をした分、当社では対応できない依頼がありました。

私たちの取り扱うリユース品の販売単価の平均は3万2000円程度です。お客様が高額品の家電やカメラといったものなどについて、新品に買い換える際に当社の買取サービスで売却頂くというのが主体です。

ですが、この自粛期間中に高額な買い物は控える傾向にありましたし、旅行や入学式がなくカメラなどの新品も売れなかったと思います。そういう趣味嗜好品の買い替えの意思決定が先送りされたことでマーケットが止まり、高額品の買取りがコロナでぽっかり空いてしまったような感じです。ただ今は買取りのお客様は全体的に徐々に戻ってきています。

 

コロナ下の「おいくら」送客数は過去最高

ーー御社は、約1000店のリユース店が加盟している集客支援プラットフォーム「おいくら」を運営していますが、コロナ下の動きはどうでしたか。

小林 お客様の買取需要が伸び、4月は過去最高水準で送客することができました。現在高く売れるドットコムに流入する依頼のうち、当社で応じることのできない案件をおいくらの加盟店に送客していますが、現状は直接おいくらにアクセスし依頼されるお客様の方が多い状況です。おいくらは、引き続き好調を維持しています。

ーー加盟店への支援策は何かされましたか。

小林 緊急事態宣言が出されてからは世の中の情報が不足気味だったため、当社からウェビナーを通じて加盟店に情報提供をしてきました。経営者向けに資金繰りや人員的・組織的な話、また感染防止対策の話をしたり、緊急事態宣言前後で問い合わせの時間帯の推移などを営業担当がユーチューブを使って限定公開してまいりました。

あとは、とにかくたくさんの数の買取依頼を提供してきました。買取りの動きを止めないことが当社の使命ですから、店舗に売りにいくのが難しいお客様には、デジタルでの買取りを利用してもらえるようにと、その入り口を広げることに注力していました。

 

ネット買取に課題あり御用聞き力が問われる

ーーコロナを機に世の中のデジタル化の機運が高まったことは間違いないでしょうか。

小林 3〜5年後に来るだろうと予想していたEC化の波が加速して訪れた印象です。日本全体の販売のEC率は8%と言われていますが、これを機にネットで食品を買うとかデリバリーを利用するといった行動が浸透しました。リユースにおいてもネット購入は進んでいきます。

ーー買取りのデジタル化はどうでしょう。

小林 買取りに関しては少し異なると思っています。売却したい際にネットから気軽に買取金額を聞きたいという需要はあるにしても、その先にあるどういった方法で買い取って欲しいかのニーズは今もまちまちです。

実際には今日出張に来て欲しいとか、すぐに近くにある店に持って行きたいんだとかありますよね。一物一価を扱うリユースのロジスティクスでは、リアルでないと解決できないようなことがあるのが前提で、なんでもネットで宅配で買い取ればよいかというとそうではないです。

あとは買い取ってしまったら送料の方が高くなるとか、買い取った後の手間やコストが高くなることもあるので、各商材によって、そしてお客様によって異なるニーズを解決できる企業が伸びていきます。御用を聞く力や現場でのオペレーション力が問われていくと思います。

ーーそんな御社には販売機能を持つ店舗はありませんが、リユースの販売店舗にとって、今後求められる機能は何になっていくでしょう。

小林 ネットで買い取って、ネットで売るだけでは優位性はないと思うんです。でも店舗を持っていれば、属性のある顧客が各店についていることになるので、それだけでも優位性はあります。

ずっと当社はネットでの買取・販売をやってきましたが、ECだけでやっていることへの課題の解決に行き着く先は、どうしてもリアルでした。モノや人が動いた分だけコストがかかってしまう課題がリユースにはたくさんありますので、今後も変わらず、おいくらに加盟する地域のリユース店と一緒に解決していこうというスタンスでいます。

 


会社概要

社   名 株式会社マーケットエンタープライズ
設   立 2006年7月7日
資 本 金 3億679万7000円(2020年3月末現在)
上 場 市 場 東京証券取引所マザーズ市場(証券コード:3135)
事 業 内 容 ネット型リユース事業、メディア事業、モバイル通信事業
従 業 員 数 398名(アルバイトスタッフ含む)※2020年3月末現在
本社所在地 東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル3F
取 扱 商 材 家電、音響、カメラ、楽器、PC、農機具等
業 績 推 移 2020年6月期3Q累計のネット型リユース事業売上高52億2900万円(前年同時期との増減率+13%)

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第490号(2020/6/25発行)9面

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