古物の現場で見かけるコインや古銭はコインブックや、紙のホルダーに収納されているものが多いかと思います。我々が普段取り扱う付加価値の高いアンティークコインは「スラブ」と呼ばれるプラスチックケースに入っているものが主流です。スラブ(Slab)は英語で「板状の」という意味ですが、ケースが板のような形をしているため、「スラブ」という名で呼ばれています。
コレクター賛否、保存と売却に便利なスラブ
スラブの仕組みですが、我々が勝手に鑑定してコインを入れて良いというものではありません。真贋やコインのキズの状態など、第三者鑑定機関などの機関によって厳しい基準に則って鑑定を行ったコインのみがスラブに入れられます。世界中にはいくつも鑑定会社が存在しますが、現在はPCGSとNGCのアメリカの2大鑑定機関が世界のアンティークコイン鑑定におけるシェアの大半を占めています。
第616号(2025/09/25発行)5面