《ブランド市場バイヤーに学べ10》決算月の翌月が狙い目

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「ブランド市場バイヤー 齋藤清の俺に学べ!」

《ブランド市場バイヤーに学べ10》決算月の翌月が狙い目

2015年06月25日

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ブランド市場バイヤー 齋藤清の俺に学べ!

第10回 高く売れるタイミングとは?

前回お話しした「高く売れる出品テクニック」に続き、今回は「高く売れるタイミング」についてお伝えしたいと思います。

まず基本的なことですが、「シーズン(季節感)」に合わせた商品を出品すること。例えば、蒸し暑い夏は革製品のニーズが下がりますから、バッグの相場も全体的にやや低調気味になります。そのタイミングで重厚な本革バッグを出しても、期待できるほどの値段はつかないことが予想されますよね。出品するなら、シーズンにマッチしたラインナップを取り揃えるか、あえてワンシーズン先のアイテムを出品するといった工夫が必要です(ジュエリーや時計にも季節感は影響してきますが、革製品ほど影響は大きくないかもしれません)。

決算月の翌月が狙い目

次に、為替相場や国際的な見本市・展示会など「海外マーケットの動き」をよく見ておくこと。特に、昨今はアジアでの相場の流れが、国内の中古相場にダイレクトに響くことも少なくありません。海外のトレンドに目を向けておくことは、国内の市場に出品する際にも当然有利に働いてきます。

国際的な見本市・展示会の直前は、相場が軒並み上昇する絶好のタイミング国際的な見本市・展示会の直前は、相場が軒並み上昇する絶好のタイミング

ジュエリーを例に挙げるなら、最近ですと香港の「インターナショナル・ジュエリーショー」の直前が狙い目。多数の業者がショーに向けて商材獲得に力を入れる時期ですから、必然的に相場は上がりますし、中でも色石(エメラルド、サファイア、ルビー) は中国でのニーズの高まりと、ダイヤモンド相場の下落から相対的に高騰しています。こうした情報を踏まえて、市場のニーズにマッチした商材をベストタイミングで出品できれば、高く売れるチャンスがグッと上がりそうです。

さて、ここからは「市場」という特性にフォーカスした、よりニッチな狙いについてお話します。まずひとつ目は、イベントやアニバーサリーを狙うこと。国内の多くの市場では、年間を通じて様々なイベントがあります。開催○○周年といった記念大会や、ゴルフコンペや忘年会など、コミュニティを活性化させる数々の取り組みが催されています。イベント開催月は多くの買い手が集まってにぎわいを見せる上、記念大会ならばいわゆる"ご祝儀相場"といった形で、いつもより高い相場が期待できますよ。

ふたつ目は、多くの企業が決算月を迎える3月と9月・・・の翌月が狙い目!というのも、決算月は大手と呼ばれる買い手を中心に「買い控え」が起きるため、相場は不安定で、売りにくい場合があります。しかし、その翌月である4月や10月に関しては、前月の買い控えによる反動に加えて期首ということもあって買い気が高まりやすいタイミング。売る時期としては、非常にオススメです!

売り手の目線から高く売るためのテクニックについてお伝えしましたが、いかがでしたか。コツを押さえて、夏商戦を乗り切っていきましょう!

アールケイエンタープライズ 齋藤清齋藤 清(さいとう きよし)
株式会社アールケイエンタープライズ
執行役員 兼 オークション事業本部 本部長

Profile
グローバルトレードと共催する「RKグローバルオークション」のオークショニアを務めるとともに、日本国内はもとより海外でも買い付けを行う敏腕バイヤー。ブランド品リユース業界歴は20年余り。ゴルフとお酒を愛する憎めない人柄で、業界関係者との人脈も深い。

370号(2015/06/25発行)6面

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