《バイヤー道~私の買取接客術~》山賀馨店長、「見積りだけ...」も覆す思い入れ吐露させ成約獲得

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《バイヤー道~私の買取接客術~》山賀馨店長、「見積りだけ...」も覆す思い入れ吐露させ成約獲得

2019年06月18日

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要約すると.ブルー.png

リユース店100店を巡り見出した、山賀さんの買取接客術
すぐに売らないお客の思い入れまで査定することで成約獲得
持ち主の思いを購入検討者に伝え、販売に繋げる

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バイヤー道
~私の買取接客術~

14-01 - コピー.JPG▲ハードオフさいたま宮原店(運営:大宮電化)山賀馨店長


やまが・かおる。入社8年目。今年2月まで大宮エリア長を担った。新入社員向け研修では教鞭も執る

ハードオフFCの大宮電化(埼玉県さいたま市)が展開する「ハードオフ・オフハウスさいたま宮原店」。店長の山賀馨さんはリユース業界に転身する前、ポールスミスの店舗で15年接客を経験。前職で染み付いた接客が足かせとなり、初めは買取で苦渋を味わう。「あの店員、押しが強くてイヤ」とまで言われた山賀さんが接客力を向上させるべく、競合100店を巡った末に見出したワザとは?

新商品を積極的に紹介するような前職での販売経験は、ハードオフでの買取接客に上手くはまらなかった。例えば女性客に、「旦那様はどんな時計をつけているか」「何本持っているか」など、相手に探りを入れるかのような接客は良い印象を与えず、クレームに発展することもあった。

入社して半年、買取実績を上げられずにいた山賀さんは、Gショックを片手に、関東のリユース店100店を巡った。「このGショック、"見積りだけ"でもいいですか?」。山賀さんも言われたら嫌と思う言葉を、訪問した店舗でまさに言ってみる。他所でどんな対応を取られるのかを体験しに行った。

「この商品の特徴教えてください」

「買取不成立にして帰るつもりが、あの店だけは違ったんです」(山賀さん)。埼玉のある店で受けた接客に感銘し、自身のワザにもなったという。

「こちらの商品、特徴をお聞かせください」。その店の店長が、そう切り返しを図った。売る気のなかった山賀さんだが、気づけばあれこれとそのGショックについて思いを巡らせていた。すると店長は、「大事にされていたんですね!その思いの分、再度査定させてください!」と話し、バックヤードに去った。戻ってくると、査定額は+1000円に。結果、山賀さんはその店に売却を決めた。

「自分の接客は、お客様にも話してもらう時間が少ないんだと感じました」(山賀さん)。「見積りだけ...」と、すぐに売る気のない人には、お客に商品特徴や思い入れを話させるようにしている。その場で成約に至らなくとも、話を聞いてもらえたことに満足をしたお客は、山賀さんを繰り返し訪ねてくる。山賀さんを指名し買取相談にやって来るお客は、今や150人を超えるという。

買取った商品の行く末見届けるのも仕事

買取りの際、お客から聞いた思い入れは販売時にも使える情報だ。

ある50代男性客が、店頭に並んだ1960年代製のロレックスのアンティーク時計を気にしていた。ガラスケースから取り出しては、いつも見るだけで買うことはない。それが4回続いてからある日、山賀さんが初めて接客に入った。

その時計は、元の持ち主が、自身の生まれ年に生産された時計ということで長らく大切に使っていたという。しかし、目が悪くなりデジタル時計に変える関係で手放すことに。欠点なのが、1日に数回巻き直さないと20〜30分とずれてしまうことだ。アンティークのため交換できる部品もない。それでも、時刻を気にする以外に時計を見る機会を与えてくれるほど世話の焼ける時計が愛らしかった、と元の持ち主は語っていたのだ。

そのエピソードを男性客と共有すると、ようやく購入を決めてくれた。古い時計だったために保証が付いていないことを危惧し、購入するかずっと迷っていたのだった。

「買取りの際、お客様から思い入れを共有できていなければ、話せることは何もなかった。自分が買い取った商品が、どう道を歩んでいくのかまで見届けるのも、バイヤーとして大切な仕事です」(山賀さん)


買取・販売のポイント
▶すぐ売らないお客に"思い入れ"を聞く→「"思い"も査定する」と伝えると好印象に
▶持ち主の思いを、次の人に語る→購入検討者が共感し、買ってもらいやすくなる

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