リーマンショックに学ぶ新型コロナ後の市場動向

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リーマンショックに学ぶ新型コロナ後の市場動向

2020年04月14日

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新型コロナウイルスによる経済への影響が深刻事態となっている。世界同時不況と呼ばれたリーマンショック並みかそれ以上とも言われている。そこで、当時のリユース市場で何が起きたか歴史を振り返ることで、今後の行方を探った。

プラチナ相場60%以上下落

リーマンショックが起きたのは2008年9月のことだ。景気悪化に伴い、当時のリユース市場も一時的に大きな影響を受けた。プラチナは一時7000円台の値を付けていたが急落し、2008年末には2500円台まで暴落、60%以上の下落率となった。プラチナは自動車の触媒に利用されるため、米GMの経営悪化が要因だった。

為替と日経平均株価金・プラチナ小売り平均価格

ダイヤは販売先の欧米需要の減少でインド人バイヤーが買い控え相場は2~3割下落、ブランド時計はユーロ下落で新品価格の低下に中古品も引きずられる形となり、相場は3割程度下落した。

このように景気に敏感な高額品やぜいたく品での影響が大きく、中古ブランド最大手のコメ兵の2009年3月期の売上高は、10%の減収。翌期も20%弱の減収となった。

生活必需品などを扱う総合リユース企業にはさほど影響はなかった。市場にとって追い風となったのは、節約志向だ。不況による可処分所得の低下で、ユーザーが割安な中古品に注目し始めた。また、2008年11月を底値に金相場が上昇、翌年6月には田中貴金属工業が貴金属の買取に参入するなど、空前の金買取ブームが生まれ多くの事業者が市場参入する契機となった。

リーマンショック頃に起きたリユース市場の主な現象

コロナ後に起きる3つの変化

リーマン後のリユース市場は一時的に停滞したものの、その後大きく拡大し今日に至っている。新型コロナ後に起きそうな変化の1つ目は、「タテとヨコの連携」だ。リユース市場は既にインフラ的なポジションを確立しており、タテに当たる一次流通だけでなくさまざまな異業種(ヨコ)との連携が進みそうだ。2009年頃、長引く不況の中で新品小売店が消費の起爆剤として始めたのが「下取り」だ。オンワード樫山を始め、百貨店やGMSなどで、主にファッション商材での下取りが広く行われるようになったのもこの時期。一次と二次流通が連携する契機になった。

2つ目が「デジタルシフト」だ。海外への出口が閉ざされ、国内の店舗営業も危うい状況の中で、ネット販売が頼みの綱となっている。リーマン時は現在のような店舗営業に支障が出ることはなかったが、店舗エリア外のユーザーに売れるネット販売に力を入れる企業が増えた。また、コロナの影響で手競りが当たり前と考えられていた古物市場でさえも、急速にネット化へのシフトが進みつつある。

そして3つ目が、「販売チャネルの多角化」だ。今回複数の販売チャネルを持つことで危機時のリスクを回避できることを痛感した企業が多いようだ。新型コロナの回復が、国内より海外の方が早ければ、越境ECを含めた海外販売もより加速しそうだ。

新型コロナの影響により、これまで当たり前だったことが出来なくなることが増えた。こうした制限が変化を後押しさせている。リユース市場は、バブル崩壊で生まれ、リーマンや東日本大震災など経済的なショックをバネに拡大してきた。新型コロナ後も企業の進化により市場拡大につながりそうだ。

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第485号(2020/4/10発行)24面

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