【50行ストーリー】男児がゲーム売却で買った母親へのプレゼント

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「リサイクル店で起きるお話 50行ストーリー」

【50行ストーリー】男児がゲーム売却で買った母親へのプレゼント

2014年01月30日

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リサイクル店で起きるお話 50行ストーリーリサイクルショップ・サイ

買取りはリサイクルならではのものだが、子供が自ら物を売りにくることは滅多にない。そのため、サイ・ワークス(東京都港区)が運営するリサイクルショップ・サイの石塚徹店長は、ゲームを売りに来た子供の「お客」のことが強く印象に残っていると言う。

同店の常連客の多くは近隣の住民だが、その中に夫婦と5〜6歳の男の子の3人家族がいた。ある日、その男児が父親に伴われ、任天堂のゲームを買い取って欲しいとやってきた。近くのブックオフにも行ったが買取り額は100円と言われ、それでは困るので同店まで足を伸ばしたのだと言う。

その男児は母親の誕生日に自分のお金でプレゼントを買いたくて、ゲームを売ることにした。プレゼントにしたい物は1000円するので、その額で買い取ってくれる店を探していたのだ。

同店はブランド家具がメインで、ゲームを買うお客はほとんど来ない。本来なら100円しか出せないところだが、その子の母親を想う気持ちにほだされ、石塚店長は損を承知で1000円で買い取ることにした。

「ゲームが1000円で売れたので、儲けはゼロでしたが、1000円を受け取った時のお子さんの嬉しそうな顔を見たら、こちらもほっこりした気持ちになりました。そのご家族は今でもよく来店して下さいます」(石塚店長)

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336号(2014/01/25発行)15面

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