ワールド、高橋 啓介グループ執行役員インタビュー

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「INTER VIEW」

ワールド、高橋 啓介グループ執行役員インタビュー

2022年01月20日

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新春INTER VIEW

環境問題の観点から一次流通企業のリユース参入が増加傾向にある。中でもアパレル大手ワールド(兵庫県神戸市)は、ネオエコノミー事業において、古着販売を行う「ラグタグ」を運営するティンパンアレイやブランドバッグのシェアリングサービス「ラクサス」、オフプライス業態の「アンドブリッジ」を傘下に有するなど、先行して事業参入を行っている。

ネオエコノミーはビジネスチャンス

ワールド 高橋 啓介氏ワールド
高橋 啓介グループ執行役員

ロス無く、無駄なくの思想根底に

── 高橋さんが管轄されている事業はどんな領域になりますか。

高橋 私は2つの事業を管轄しています。1つはワールドグループ企画本部の本部長として、サステナブルプロジェクトというのを立ち上げまして、プロジェクトリーダーをしています。もう1つはネオエコノミー事業の本部長です。ネオエコノミーにはラグタグやラクサス、アンドブリッジも含まれていて、新しいファッションエコノミーを作っていく狙いで行っています。

── サステナブルな取組みについてどのように考えていますか。

高橋 実は、ワールドは国内外で初めてに近い形でSPA事業を始めた会社です。そのため、余計なものは作らないし、売らないということをベースとしており、「ロス無く、無駄無く」だけど、「ファッションの多様性」を楽しむという思想がずっとあります。ファッション業界では、今は冬で寒いのに、次の夏は何が流行るのかなど次シーズンのことを考えています。しかし、当社では以前から国内で売れ筋を見て、2週間で国内生産を行い販売するなど時期に適した商品の供給を行うように努めてきました。元々環境問題のためではなく、収益を最大化してお客様に喜んでもらえるかを冷静に考え、このようにやっていたのです。ですから、サステナブルはグループとして大きなチャンスだと捉えています。

── チャンスというのはビジネスにおいてでしょうか。

高橋 ビジネスとしてチャンスだと思います。当社が元々大切にしてきたことに繋がっているわけですから。いずれ循環型社会が当たり前になることを予見し、ラグタグをM&Aで子会社化したり、アンドブリッジのような1.5次流通、またラクサスでレンタルシェアなどを行っていることになります。どんなサステナブル素材を用いても作る以上はCO2を排出するわけですから、作ってから皆さんの手に渡り、使えなくなる前までにはチャンスがあると。当然、作って売るといった従来の事業もサステナブルの観点で当然進歩していきます。そのためには、環境負荷の〝見える化〟は非常に大事です。ただ、チャンスと感じる反面、アパレル業界として大きなリスクもあると考えています。

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第527号(2022/1/10発行)28面

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