一部のオフィスでは今、働き方が変化し「紙回帰」が進む気配が漂う。この動向が、書庫の高騰に影響していると見るのは、中古オフィス家具の古物市を運営するリステージオークション(東京都中央区)だ。同市場では、中古書庫の落札価格が5万円に高騰している。
2010年モデル以降の上下セットが人気
出社が戻り始め
資料印刷が増加か
リステージオークションで出品された、上下に連結する書庫。特にオカムラのレクトラインシリーズが人気だ
リステージオークションでは、従来3万円で落札されていた上下に連結する書庫が、昨年6月から現在まで5万円で落札されている状況が続いている。「書庫がここまで高騰したことはない」と同社の高鉾龍社長は驚きを隠せない。
現在オフィスでは、書庫の需要が高まっているという。背景には、働き方の変化による「紙回帰」が推測できる。コロナ禍でテレワークが浸透したが、出社に戻す、またテレワークと出社のハイブリッド式を導入する企業が相次ぐ。出社することで、紙を使う機会が増えているのだ。
第607号(2025/05/10発行)15面