偽ブランド品を売ったら違法?このブランド品は本物? 意外と知らない真贋鑑定の世界

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偽ブランド品を売ったら違法?このブランド品は本物? 意外と知らない真贋鑑定の世界

2018年06月21日

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フリマアプリの普及で売り買いする機会が増えた中古ブランド品。専門知識がない方も多く少なからず不安もあるはず。今回は消費者の立場から、偽ブランド品を売ってしまった場合や真贋判定の方法、各社の取り組みを紹介していく。

(目次)
(1)真贋鑑定はなぜ必要なの?
 ―本物と偽物ってなに
 ―なぜ真贋判定の必要性
(2)真贋鑑定どうやっているの?どこに行けばやってもらえるの?
(3)偽物を売ったら違法なの?
(4)フリマアプリや宅配買取りの対応は?
(5)真贋鑑定の最新技術
(6)まとめ

(1)真贋鑑定はなぜ必要なの?

本物と偽物ってなに?

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法律上、偽物とはシャネルやルイヴィトンなどのブランドホルダーが販売したもの以外ということになる。

しかし、中には判断が難しいものも。例えば、偽ブランド品と呼ばれるものの中には、正規品を作っている工場が同じ型を使って勝手に作り販売したものもある。また、本物に非正規の部品などを使った修理品も判断が難しい。

商標権者が自分で販売した物以外はすべて偽物として扱われる。また、元々の商品との同一性が失われるような改造がされた場合も偽物になる。例を挙げると、時計の文字盤にダイヤモンドを埋め込むアフターダイヤなどがこれに当たる。このように、本物か偽物か定義するのが難しいケースも多いというのが現実だ。

アフターダイヤについて詳しく知りたい方はこちら
https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_2618.php

では、なぜ真贋鑑定が必要か

偽ブランド品の中にはだれが見ても明らかな偽物もあるが、ブランドホルダーですら精巧だという商品もある。だが、偽物を販売してしまうと商標法という法律に違反する。

商標権というのはシャネルやルイヴィトンなどのブランドホルダーの人たちがそのブランドを使って商売する権利。

ブランドなどの登録商標を勝手に使って商売をすることが商標権侵害に当たる。

ブランドホルダーからすると、勝手に使われてしまえば自分たちの商品が売れなくなってしまって困る。そうならないように商標権が保護されているのだ。

つまり事業者としては、真贋鑑定を行わないと、商標権侵害を犯してしまう可能性があり、訴訟リスクや賠償のリスクが生じる。加えて、消費者に偽物を販売し、信用を失わないためにも真贋鑑定は重要だと言える。

(2)真贋鑑定どうやっているの?どこに行けばやってもらえるの?

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どこに行けば真贋鑑定をやってもらえるのだろうか。

ネット上の質問サイトなどでは質屋に持ち込めばいいとの意見も多くみられる。買い取ってもらえれば本物、断られれば偽物という方法だが、確実とは言えない。

鑑定力は質屋ごとに異なるし、不得意な商材や状態が悪いものは純正品でも買ってもらえないケースもある。

実は本物であることを確定させる権利は、ブランドホルダーにしかない。しかし、ブランドホルダーは真贋鑑定をしている時間的余裕はそれほどない。一般的にブランドホルダーが自ら真贋鑑定をしてくれるのは稀だ。

このように鑑定を行っている団体や会社、お店はあるが、本物かどうか決定する権利はブランドホルダーにしかないので、注意が必要だ。

そんな中でも独自の基準で真贋鑑定を手掛ける団体を紹介していく。

①日本流通自主管理協会(AACD)

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並行輸入業者やリユース業者が加盟する団体で、偽造品排除を目的としている。独自に集めた偽物と本物の比較や加盟店の持つ情報から独自の基準を作り、その基準内外で鑑定を行っている。

基本的には会員企業にしか真贋鑑定サービスを提供していないが、誤って偽物を購入してしまった際には、ブランド110番が利用できる。

偽物を購入したかもしれないなどの相談に応じるサービスで、利用は無料。結果は口頭で伝えられ鑑定書はつかないが鑑定も受けられる。

他にもADR(裁判外紛争解決)が設置されている。これは法務省の認可を受けたもので当事者が話し合いでトラブルを解決することを助ける。

サイトはコチラ
http://www.aacd.gr.jp/

関連記事はこちら
https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_2694.php

②全国質屋ブランド品協会(ATF)

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有志の質屋が加盟する団体で偽造品排除を目的とする。

東西に本部があり、さらに各地域がブロック分けされている。事務局以外の運営は加盟店がボランティアで行っているという。

主な活動は販売する商品に偽造品が混入しないように長年の経験知やX線検査などの科学的手法で真贋判定を行うこと。加盟店は181社。判定の流れとしては、加盟各店舗が自店で真贋の判断が難しい商品をブロックでの会議に持ち込む。それでも判断できなかった商品が本部の判定部に送られ、販売可能か判断される。

本部でも判定が困難な商品については、全国の加盟店の意見も聞いて最終判断を下すという。本部では年間80数点の判定を行っている。一般向けに真贋鑑定は行っていないが、認定店制度などで排除に取り組む質店を見分けられるようにするなど対策を行う。

③日本ブランド品鑑定協会

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質のおお蔵と化粧品などの成分分析機関のブルームが共同で運営する鑑定機関。

おお蔵で査定を行う社員による審美眼と、金属の成分分析機器、時計の振動数チェッカーなどの組み合わせで真贋判定を行う。年間1200点ほどの鑑定依頼を引き受けており、金属の成分分析を行ったものには鑑定書も発行しているという。成分分析は蓄積された数万件のデータと照会し一致するかどうかで判断を行う。

バックの場合でも金属部分で判定可能。純正品に準ずるかどうか鑑定書で提示する。希望があれば買取査定価格も記載する。

主な対象はブランド時計、ブランドバックのほか、ハイブランドのアパレル商品も場合によって引き受ける。

アパレル商品など金属による判定が難しい物については鑑定を引き受けないことも多い。引き受けた場合でも鑑定書とは別の書面での通知のみ。金属が含まれる商品でも純正品のデータがないものに関しては書面での回答となる。

鑑定は一点につき3000円、送料は別途負担。最長1週間で結果が出る。

関連記事はこちら
https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_400.php

HPはこちら
http://www.jbiaa.org/

④ユニオン・デ・ファブリカン

ブランドホルダーの権利者団体で、国内で唯一真贋鑑定を行う権利を持つ団体。
偽造品排除を目的とする。ただし、一般向けには真贋鑑定を行っていない。鑑定を行うのは刑事事件などの場合のみ。

サイトはコチラ
http://www.udf-jp.org/

他にも、一部リユース企業や質屋が独自基準で有料真贋鑑定を行っている。まんだらけは作家のサインの鑑定を行うなど、培ってきた力を生かす。どうしても確認したいという方はそれらのサービスを利用する手もある。ただし、あくまでも独自基準であり本物であることを保証するものではないことに注意したい。

まんだらけの真贋鑑定についてはこちら
https://mandarake.co.jp/kaitori/shingan.html

その他ブランド品鑑定サービスはこちら
https://rococo.jp/imitation-info/8809/
http://www.kantei.info/kantei/brand.html
https://www.elady.com/elady/40_kantei/00_kantei.asp

(3)偽物を売ったら違法なの?

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偽物を自分で使うために買うだけでは違法にはならない。では偽物を売ってしまった場合、違法なのだろうか?

偽ブランド品に関する法律に詳しい早稲田大学法科大学院上野達弘教授に聞いた。状況別に見ていく。

①リユース店に売ってしまった

この場合、違法にはならない。ただし、多くの場合買い取ってもらうことは難しい。場合によってはサンプル品として少額で買い取ってもらえる場合もある。また、本物だと騙して買取りをさせた場合には詐欺罪に問われる可能性があるので注意。

②フリマアプリで売ってしまった

販売している頻度などによる。まず数回程度販売した場合。商標法違反にはならない。商標法違反になるには業として、つまり仕事として行われている必要がある。反復継続、ある程度の期間何回も販売することである。また、本物と偽った場合詐欺罪が成立する可能性があるので注意が必要だ。

次に、かなりの回数販売した場合だ。この場合は商標法違反が成立する。また、本物と偽った場合には同様に詐欺罪に問われる可能性も出てくる。

より詳しい事業者向けの話はこちら
上野教授インタビュー

(4)フリマアプリや宅配買取りの対応は?

もし偽ブランド品をオークションサイトやフリマアプリへ売りに出した場合や、リユース店などに買取りに出してしまった場合どうなるのか。

また、各社はどのように偽ブランド品対策を行っているのか。以下にまとめた。

①メルカリの場合

メルカリはあくまでもフリマアプリであるため、ブランド商品についてもメルカリ本体が査定等を行うことはないとしている。同社では入手経路の明記や、購入時のレシート・シリアルナンバーなどの写真掲載を呼び掛けている。公式サイトによると正規品かどうか不確かな商品も出品は控えるようにとのことだ。

もしメルカリ事務局が偽ブランド品・模倣品・レプリカ、正規品と確証がない商品と判断した場合や権利者から直接削除依頼があった場合には取引キャンセル・商品削除・退会処分の対象となる。

さらに購入者に対しても、偽ブランド品・模倣品・レプリカの可能性がある商品を見つけた場合は、購入せず、商品ページの「いいね!」「コメント」の右側のボタンから「商品の報告」をするように呼び掛けている。

使い方ガイドページはこちら
https://www.mercari.com/jp/help_center/article/260/
対策について詳しく知りたい方はこちら
https://about.mercari.com/csr/safety/

②ヤフオク!の場合

国内最大手のオークションサイトであるヤフオクことヤフーオークションは2000年代初頭から積極的に対策を講じている。ヤフオクはあくまでも利用者間が取引をするサイトであるため、査定が行われることはない。ただし、偽ブランド品撲滅のために様々な取り組みを実施している。

(1)24時間パトロール
不正出品の早期発見のために、2000年から専任スタッフが配置されている。このスタッフが24時間365日サイトをパトロールしている。

(2)不正利用検知モデル
これまでに判明した偽ブランド品の販売者などの行動パターンを分析し、検知するシステムを構築して、監視している。金融機関の与信リスクモデル構築やクレジットカードの不正利用検知モデル構築などに実績がある金融エンジニアリング・グループと協力して導入している。

(3)知的財産保護プログラム
知的財産権を侵害する出品物について、知的財産権の権利者からの通知に基づき、Yahoo! JAPANが該当する出品物を削除するなどの措置を行うもの。外部団体とも協力しながら実施している。

詳しくはこちら
https://auctions.yahoo.co.jp/special/html/nisebrand/index.html

③ブランディアの場合

CMでおなじみ宅配買取りのブランディアは買い取った商品を自社サイトで販売する。買い取る際には自社基準で買い取りの可否を判断し、偽ブランド品が紛れ込まないようにチェックしているという。

詳しくはこちら
http://auction.brandear.jp/ct/satei

④CASHの場合

「CASH」の公式サイトによると偽ブランド品の可能性があると商品送付後の査定で判断された場合には商品を返送、返金を求めるとしている。また、これを行ってしまうと利用停止になる場合がある。

詳しくはこちら
https://cash.jp/guide/rule/

(5)真贋鑑定の最新技術

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科学技術の発展とともに、人が見なくても真贋鑑定ができる方法も登場している。ここではAIなどを用いた最新技術について紹介する。

①ものばんくが目利きAIアプリをリリースへ

ブランド品等の業者間オークションを展開するものばんく(山口県下関市)が、九州大学系のテックベンチャー、チームAIBOD(アイボッド・福岡県福岡市)と共同で「目利きAIアプリ」を開発、5月にβ版をリリースした。

スマホで撮影するだけで商品の特定と査定価格を表示できるサービスになるという。今後はコンディションの判定や真贋判定等も行えるよう開発を進めていく考え。

関連記事はこちら
https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_2505.php

②大黒屋がAIによる真贋鑑定

大黒屋では2017年の8月から真贋鑑定にAIを活用するシステムを導入している。主要ブランド品で実際にAIを用いて判定させたところ、実用可能と判断し導入に踏み切ったと言う。

今後日本のみならず、英国や中国にも横展開することで、更なるデータの収集と学習を重ねていく方針。

関連記事はこちら
https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_2004.php
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③米国のAI鑑定、エントルピーが日本上陸

エントルピーは、ニューヨーク大学の研究者がAIによる画像診断技術を商用利用できるように2012年に立ち上げたスタートアップ企業。4年間で1000万件以上の「本物・偽物」の画像を収集し2016年秋からアメリカでサービス提供を開始した。

専用アプリをDLしたアイポッドタッチを、顕微画像が撮影可能な端末にセットしロゴや素材、縫い目から判断する。現在は15ブランドを鑑定対象としており、同社の発表する鑑定精度は98・5%。鑑定書も発行し、万一偽物だった場合には金銭保証も行う。

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④仮想通貨でブランド品真贋鑑定

中国の仮想通貨「vechain」はブロックチェーン技術を使ったブランド品追跡技術を提供している。

そもそもブロックチェーン技術とは、仮想通貨取引などの情報の「ブロック」をネット上で複数のユーザーが保存し共同管理するもので、データが複数あり常時相互チェックがなされるため改変がほぼ不可能と言われる情報セキュリティ技術。「vechain」はこの技術を応用した。

ブランド品製造過程で正規品であることを証明するチップを埋め込むことでメーカー側は偽ブランド品の排除が容易になる。また、消費者はスマートフォンなどを使用して簡単に真贋判定を行える仕組みだという。

近年の中国ではメーカーからブランド品を受注している一部業者が無断で、ブランド品用の生産ラインを転用。本物との見分けがほとんどつかない精巧な偽ブランド品が増加していることが背景にある。

詳しくはこちら
https://www.vechain.com/#/ (中国語の公式ページにジャンプします)

⑤目利き付きフリマアプリ「KANTE」

ブランドリユース最大手のコメ兵は出品した商品を目利きしたうえで掲載するフリマサイト「KANTE」を運営している。

このサイトの目的は、偽造品の排除だという。フリマアプリへの対抗よりも、消費者が安心してブランドを買い物できる環境を作りたいとのこと。

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https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_2309.php

(6)まとめ

フリマアプリの急成長で活気が増してきた中古ブランド品市場。

C2Cの取引が増えたことでトラブルの増加が予想される。場合によっては刑事罰も課される。真贋鑑定をうまく使いながらトラブルを回避することが肝要ではないだろうか。

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