コメ兵×エントルピーAI鑑定対談「技術は戻らない、進むしかない」

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2020年10月20日(火)・21日(水)/時間:10:30〜18:00/会場:オンライン(EventHub)/1人様:8,000円 残席わずか!(税別)

コメ兵×エントルピーAI鑑定対談「技術は戻らない、進むしかない」

2018年04月20日

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AI真贋について考える

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技術は戻らない、進むしかない

AIによるブランドバッグの真贋判定システムを提供する米国のエントルピーが日本に上陸し、話題を呼んでいる。中古ブランド品の最大手企業であり、トップクラスの真贋力を持つコメ兵と「AI真贋について考える」と題して座談会を行った。

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▲写真左からコメ兵・林氏、藤原氏、エントルピー・ヴィデュース氏、浅岡氏


――まずエントルピーの自己紹介をお願いします。

ヴィデュース 当社はニューヨーク発祥の会社で米国内の各地とインド、そして東京に拠点があります。もともとこのAI真贋のビジネスを始めたのは、信頼を取引の一部として確立しようと考えたためです。そして人工知能がひとつのソリューションになるのではないかと始めました。ブランド品の業界もそうですが、さまざまな業界で〝偽物〟が問題になっています。またオンラインでの取引が増えていく中で、信頼が欠けている問題が散見されるようになっております。

藤原 どれぐらいのブランドに対応されていますか。

ヴィデュース 15ブランドに拡充しました。もともとはルイ・ヴィトンだけから始めました。今はバッグや財布の革製品という形ですが、それ以外のカテゴリーも拡充していこうと考えています。靴、中でもスニーカーとか将来的にはジュエリー、そして時計の方にも進出したいと考えています。

藤原 どれぐらいの企業が利用されているのでしょうか。

ヴィデュース 世界で250社以上の企業と取引があります。利用企業はさまざまでして、フォーチュン500に入る大手企業、中古事業者、小売りだったりします。また、法律の執行機関や税関でも利用頂いています。

藤原 どういった目的で利用されているのでしょう。

ヴィデュース 大手の企業では効率性のために使われているところがあります。鑑定士の方を育成して維持するには時間と労力がかかりますからね。マーケットプレイスでは、消費者の方が購入する際の信頼性向上に使って頂いています。また税関ですと、他国からその国に輸入される商品の中に偽物がないかを確認するためです。そして小売店では、返品取引のプロセスで利用されており、戻ってきた商品が販売した商品と同じかどうか、また戻ってきた商品が本物かどうかを調べるのに活用頂いています。

藤原 真贋の精度はどうなのでしょうか?

ヴィデュース 約99%です。残りの1%の内、0・1%は「偽物なのに本物」と判断してしまうケースです。これは1番取引先にとってダメージが大きいので、私たちとしては減らしていきたいところです。この場合は弊社で金銭的な補償を付けています。残りの0・9%が「本物なのに偽物」と判断してしまったというケースです。


――エントルピーのAI鑑定システムを見た感想はいかがですか?

藤原 ある程度事前に聞いていたので、想像通りではありますが、やはり時間がかかるなというのが正直ありますね。僕たちだと多分5秒で終わるところが、何分かかかってしまうので。そこはビジネスサイドに落とした際に、オペレーションで破綻してしまう。零細のような1日に1個、2個ぐらいのニーズであれば応えられるのかなと。ただ、多分そこは時間の問題で解消されていくのかなとは思っています。


――そういう意味では、非対面接客などでの利用から導入が進んでいくのかなという気もしますね。対面接客における実用性が増して真贋部分をこうしたサービスで代用できれば、スタッフの育成を早める効果も期待できそうですが、コメ兵でバイヤーの育成にはどれぐらいの時間がかかるものでしょう。

 半年を目安にしています。ただ、学ばなければならないのは真贋だけではないですし、限られた時間の中で行いますので。結局我々は、買取するだけでなくて、顧客のロイヤルティビティ(企業に対する信頼や愛着の大きさ)が重要と考えていますので、リピーターを増やすという接客もトレーニングの中に入ってきます。

――AIによって、人の育成を短期化できる効果は見込めるでしょうか。

 たぶん、だんだん変わってくるでしょうね。今でも言語化しづらい部分を教えてはいるんですが、なかなか伝えられないというのはたくさんあります。

ヴィデュース 仰る通りで言語化できない部分というのがAIの強みであります。データをどんどん蓄積して、どんどん改善していくというか、膨大なデータを基に判別していくというのがAIの得意とするところになります。また、人間だと判断を迷ってしまう物も同じ時間で判断することができるというのもAIの特徴になります。

――AI真贋というのはコメ兵にとって、脅威なのでしょうか。それとも好機でしょうか。

藤原 どちらでもないですね。やっぱり技術って戻らないので、進むしかない。どうやって利用するかだけだと思います。AIで全部解決できなければ、人が解決しますし、その逆もある。要は、お客様に良いエクスペリエンスを提供できるかをやっていくことなんだと思います。

――ちなみにコメ兵でもAIに関する研究をしているのでしょうか。

藤原 もちろん。彼らのようにR&D(研究開発部門)があるわけではありませんが、そこは進めていかなければと考えています。

ヴィデュース 本来、取引において信頼というのは無意識なものであって、大きな声で「私たちを信頼してください!」って言うものではありません。コメ兵さんのフリマアプリ「カンテ」もそうですが、自然にお客様が安心して買って頂けるというのを実現したいというところでは弊社と共通しているのかなと思います。

エントルピーのAI真贋

▼エントルピーのAI真贋を実際に行った様子。顕微画像が撮れる端末をアイポッドタッチにセット。ブランド品のロゴや素材、縫い目などを260倍に拡大して撮影する

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▼本物と鑑定できた場合、鑑定書の発行を行う。万が一偽物だった場合は、金銭的補償をエントルピーが行っている

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第437号(2018/04/10発行)8,9面

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