あえてのリアル店拡大、ハードオフは「二刀流」から原点回帰

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あえてのリアル店拡大、ハードオフは「二刀流」から原点回帰

2019年03月09日

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20A差替.jpg▲ハードオフ新発田店の売りであるオーディオコーナー

「実店舗はもうダメなんじゃないか...」C2Cやネットの取引が注目されたこの数年、こんな不安の声が業界内で頻繁に聞かれる。実際、ECサイトの活用に注力する事業者も増えている。そんな中、あえて「実店舗」に重きを置くことで成長を図る企業もある。どのような勝機を見出しているのかを探ってみた。

出店にアクセル強みは地方で活きる

ハードオフコーポレーション(新潟県新発田市)は来期以降、地方への出店を強めていく方針だ。本社のある新発田市をモデルケースに、人口10万人規模でまだ出店の無い地方都市に狙いを定める。直営・FC共に視野に入れ、来期の人材採用も積極的に行う。ジャンク品やマニア向け商品など、「こんなものも売っているのか」という驚きを与えて「コアなハードオフファン」(山本太郎副社長)を獲得してきたという同社。

この裾野を地方で再拡大する。全国570店超のFC網が強み。地域特性に合わせた集客や店づくりを行うことができる。また、同社が「商店経営者のDNA」と呼び大切にするのが、各店長がそれぞれ大きな裁量を持ち、自分の財産だと思って店舗運営をする企業風土だ。この数年、公式アプリ発表などリアルとネットの「二刀流」戦略を進めてきた。「店舗の負担が重くなったことは反省材料」(山本副社長)として、今後は経営のスマート化を図り、店舗運営にリソースを割ける体制を作る。

「コンサル」強化
店舗で優良客獲得

百貨店への出店を通じて店舗のブランディングを行ってきたのが、「アイデクト」の屋号で知られるジュエリーアセットマネジャーズ(東京都中央区)だ。2018年8月期の売上高は27.6億円で前期比18%増と好調。ジュエリーの買取りから修理、リフォームまで一貫して提供できることを強みに、店頭での接客を強化している。

同社は接客をジュエリー資産の「コンサルティング」と位置付ける。昨年12月に社長に就任した木野瀬祐太氏は、「コンサルに平均1時間はかけている。これは証券会社でもやれないこと。この時間の密度を上げていく」と話す。今後は実店舗に紐づいた優良顧客の獲得を加速し、クラフト体験や他テナントとの相互送客を通じて新たな顧客接点を設けていく考えだ。

木野瀬社長は「デジタルは激戦区。今はリソースをつぎ込むタイミングではない」と話す。ただ、来店客の保有するジュエリーをデータベース化する「マイジュエリーボックス」をサービス展開しており、タイミングを見てデジタルサービスに本格参入する狙いは残す。

②.jpg▲アイデクト立川高島屋S.C.店

1着100円古着
ネットと競合しない

運送費などのコストが見合わず、ネットの盲点となっている低単価商材。ここで戦うのが、1着100円~の
激安古着を販売し、「たんぽぽハウス」の屋号で知られるヴァンベール(東京都中央区)だ。東京・17店舗を構え、100%が店頭販売。2018年2月期の売上高は7.6億円と好調だ。ドミナント出店により、店舗間で毎日在庫を流動させる仕組みを構築。陳列商品の鮮度を上げることで回転率を向上し、毎日1万着を販売している。

羽田健一郎社長は「古着はブランドではなく『日用品』として販売している」と強調する。誰もが普段着として複数枚所有するであろうユニクロやしまむら、ノンブランドの古着を扱う。購入するのは高齢者が中心だが、若年層やファッションをWEB上に投稿する「インスタグラマー」なども掘り出し物やワンポイントで使うアイテムを求めて来店する。仕入れは9割が一般買取り。着色汚れがあるもの等例外を除き、必ず1点1点に値段を付けて買い取る。これによりお客の買取り依頼に対するハードルを下げ、豊富な在庫の確保に成功している。

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▲たんぽぽハウス上野広小路店

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第458号(2019/02/25発行)20面

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