【Reuse×Tech Conference セミナーレポート】 越境ECの物流・言語・文化ハードル低く_ eBay
2024年11月21日
リユース業界最大級イベント「Reuse×Tech Conference for 2025」が10月2日・3日の2日間、東京・日本橋で開催された。10月3日D会場では越境ECプラットフォーム「eBay」のイーベイ・ジャパンからビジネスデベロップメント マネージャー篠原星氏、Fashion & Beauty マネージャー北爪紀子氏、Collectibles マネージャー市田良介氏、Electronics & Motors マネージャー古谷まゆみ氏、Lifestyle マネージメント楢原悠子氏の計6人が登壇。「eBayで始める越境EC ―越境市場の現在地とカテゴリトレンド情報―」をテーマに講演を行った。登壇内容をダイジェストで紹介する。
AIなどで翻訳簡単に 国際宅急便も充実
初めに篠原氏が「eBay」を取り巻く環境を説明。「eBay」のアクティブバイヤー(購入者)は1.32億人にものぼり、出品数は20億を超えるという。年間の取引額は日本円で約10兆円で、越境取引割合が半数を超えている。越境EC規模が中国に次いで大きい米国向けの販売が「eBay」のメインであるとし、法規制などハードルが高い中国向け越境ECに対し米国向けは参入しやすくチャンスがあると力説した。「越境EC参入の3つのハードルであった『物流』『言語』『文化』の差のハードルはだいぶ下がってきている。物流に関しては、コロナのタイミングで国際宅配便のサービスが充実し、eBayでも独自の配送サービスを提供している。言語についてもAIの進化などがあり、簡単に翻訳ができるようになってきている。文化的ハードルもAI活用やSNS活用によってクリアーできる。今は越境ECをスタートしやすい環境といえる」(篠原氏)と呼びかけた。
越境ECには4つのメリット 日本からの販売者は2桁成長
篠原氏は越境ECのメリットについても解説。主に「成長性」「需要の多様性」「国際取引」「販売価格」の4つにメリットがあるとし、「世界中がターゲットにできるのはもちろん、季節の違いを利用して日本のオフシーズンにオンシーズンになる国向けに販売するなど越境取引ならではの多様な需要を取り込むこともできる。円安などによる為替メリットもある」(同)など語った。
売り場としてのeBayの強みにも言及。「あらゆる機能が充実し、非常にやりやすいプラットフォーム。固定価格でも販売もでき、オークション形式でも販売できる。eBay内にショップを設けることも可能だ。圧倒的なバイヤー数があるうえ、コアなeBayファンも多い」(同)とアピールした。eBayにおいて日本発の取引は2桁成長が続いているとし、相手国としては北米が約73%。EU圏が約16%、アジアが約8%だと明かした。人気の商品カテゴリーとしては中古、ハイブランド品や日本メーカー品、コレクタブルがあると説明。カテゴリランキングとしてはレディースアパレルトップ、次いで時計、アニメなどのキャラクターグッズが続くという。成長率では自動車パーツが最も伸びており、そのほかデジカメやトレーディングカードが特に成長しているという。
意外な商品に人気も レトロゲーム・軽トラなど
商品カテゴリーごとのトレンドトピックを各担当が紹介。ファッション分野のスニーカー部門では「オニツカタイガー」など日本ブランドの商品も人気が高いそうだ。ホビー分野では日本メーカーのレトロなポータブルゲーム機の人気が高く、任天堂の「DS」やSONYの「PS Vita」は本体・ソフトともに需要があるのだという。そのほか家電では日本メーカーのデジカメも人気が高いことを紹介。液晶画面が多言語対応できるかどうかが売れるポイントだとした。車パーツでは米国では日本の「軽トラ」の人気が高まっているとし、軽トラの部品も人気が高まっているという。そのほか趣味用品領域では釣り具では日本ブランドの需要が高いほか、米国におけるゴルフ関連グッズの売上は1割が日本セラーによるものであることなどを説明した。
講演終盤では聴講者からの質疑にも応えた。バイヤー数の増加推移については「コロナ禍で一気に伸びた後、横ばいという状況」(篠原氏)と説明した。成長が鈍化しているカテゴリーはあるか、といった質問には「これといったものはないが、化粧品のような国ごとに違う規制があるものなど伸びにくいものはある」(同)とした。
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