都内で総合リサイクルショップ「ドープランド」、「もぐランド」を運営するNATURAL NINE(東京都品川区)。バイヤーの樋口卓氏の「気持ちの良い接客」は、お客に評判だ。家具・家電を中心に扱う同社のお客は、20~70代の老若男女と幅広い。おまけに大半が、出張買取り。お客の自宅というテリトリーで、あっという間に心を掴んでしまう樋口さんのテクニックに迫る。
NATURAL NINE バイヤー 樋口 卓 氏
これ、ステキですね!
査定の舞台は、お客の自宅。「どんなタイプのお客様か、部屋を必ず観察します」。
例えば先日家具の買取りで訪れた、30代夫婦宅。目に入ったのは、アンティークのテーブルだ。樋口さんは、「ステキなテーブルですね」と声をかけた。「これは売るつもりないんですよ」と言いながらも、緊張気味だった奥さんの顔は嬉しそうだ。これがきっかけとなり、夫婦共通の趣味であるアンティーク家具の話題に花が咲いた。
「ゆくゆく手放す時期が訪れたとき、我々のことを思い出して売りに来てくれるかもしれない」。会話の糸口だけでなく、未来の商品の確保術としても使えるようだ。
387号(2016/03/10発行) 8面