《明日のリユースを創る!》消費者が知りたいのは"商品の再販価値"

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《明日のリユースを創る!》消費者が知りたいのは"商品の再販価値"

2018年12月16日

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 明日のリユースを創る!
  実践マーケティング講座

~第3回 業績好調企業共通の"専門性"とは何か?~

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消費者が知りたいのは"商品の再販価値"

前回まで、リユース業界3つの時流をお伝え致しました。今回からその時流に対しての5つの方向性について解説したいと思います。その5つの方向性とは①専門性の追求②WEB・EC・自動化・無人化③顧客化・会員化④新品と中古の融合⑤モノからコトへのシフトです。今回は"深い専門性"についてお伝えしたいと思います。

まず、メルカリを筆頭にしたCtoCマーケットの急成長により消費者の心理が大きく変化しました。その一つがリセールバリューを意識した買い物の仕方です 。購入前から売る前提で「売った時どれが高く売れるか?」を意識します。住宅や車の場合は当たり前に行われてきた行動ですが 、CtoCマーケットがライフスタイルに組み込まれてきたことで、耐久消費財だけではなく一時的消費財にもその価値観が浸透しつつあります。

では、リセールバリューを意識した消費者が知りたいことは何でしょうか?それは商品の再販価値、つまり
「値打ちが落ちやすいのか?落ちにくいのか?」という点です。この情報をしっかり伝えるのは、新品・中古問わず大切です。リセールバリューの高い例は、ロレックスです。30年前のロレックスの中には当時の購入価格より、高く売れるモデルもたくさんありますが、消費者の一部しか知りません。そうした相場の変動をお伝えするのも、リユースショップのプロの仕事なのです。

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このプロにしかできない仕事というのが、大きなポイントです。CtoCマーケットは 、あくまで素人が売買するマーケットです。リユースショップにも素人もできる分野はやはり一番影響を受け、売上減に明らかにつながっています。逆を言えば、素人でもできる領域の仕事しかできていない店が、業績を落としています。ではプロの専門性とは何か?

1)モノの真贋、相場の変化の把握
2)使用方法・アフターメンテナンス
3)相手の立場に立ったモノとの付き合い方のアドバイス(売却・保留・使用)

ある業績絶好調のリユースショップの事例ですが、バイヤーには3つのレベルがあると話されていらっしゃいます。

初級者:目の前のモノを査定する。
中級者:お客様が気になっているモノ、価値がありそうなモノを見抜く。
上級者:お客様の家にあるモノ、意識していなかったコトにアドバイスする。

ほとんどのリユースショップの買取現場では、初級か中級に留まっているように感じます。プロは相手の家、生活状況などを察知し、相手の立場に立って、持ってきていないモノにまでアドバイスして喜ばれているのです。買取業務を通じてお客様の奥にある課題、悩みを解決するお手伝いをされているのです。真贋や相場がどんどん無料化、自動化されていく時代の中で、あなたのお店は、どんな価値をお客様に提供できているでしょうか ?

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福本 晃
元船井総研上席コンサルタント。2000年に、リユース業界向けコンサルティング部門を立ち上げ、全国各地に600店舗のクライアントを持つ部門に育てる。リユースス業界のエキスパートとして、株式上場企業など数多くの急成長企業を作り出してきた。2017年3月にコンサルティング会社「A-DOS」を設立する。現在、「企業の"あり方"と"やり方"をつなげて、"理念"を"利益"に変える」をモットーにコンサルティングを行っている。リユース業界向けには、TRCコンサルティングを立ち上げ 、リユース企業への幅広い支援を行っている。著書に「はじめよう!リサイクルショップ中古品マーケティングの真髄」。

第453号(2018/12/10発行)6面

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